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2022年7月4日(月)

きょうの潮流

 「日本の防衛力を5年以内に抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意だ」。日本の首相として、初めて北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席した岸田文雄首相は居並ぶ各国首脳を前にこう宣言しました▼念頭にあるのは、自民党の参院選公約である軍事費の「5年以内の国内総生産(GDP)2%への引き上げ」です。現在の5・4兆円から11兆円へ2倍以上に。文字通りの大軍拡です▼そうした主張をするのなら、財源とセットで示すのが民主政治の最低限の責任です。ところが首相は財源について口をつぐんだまま、一方的に軍拡を対外公約。国民不在の極みです▼1989年の消費税導入の旗振りをした渡辺美智雄自民党政調会長は、外国人記者クラブで「昭和65年(90年)までは年々5・4%ずつ実質的に防衛費を伸ばすお約束が(米政権と)ある。そうすると、ますます財源がなくなる」と述べ、社会保障などが犠牲になることを事実上認めました▼いまの大軍拡の動きにも、同じような背景があります。米国がNATO加盟国に「GDP比2%」を要求し、「対中国」で軍事分担の拡大を要求されている日本も足並みをそろえて大軍拡に踏み切る。その財源は消費税などの増税か軍事国債か、社会保障の削減にならざるをえません▼日本が大軍拡に踏み切れば、中国やロシアもさらなる軍拡に踏み切り、平和と暮らしを破壊する悪循環をもたらすことは明らかです。破滅の道を許してはなりません。


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