2022年7月3日(日)
燃料・肥料支援 政府と合意
エクアドル先住民らのスト終結
南米エクアドルの先住民団体と政府代表は6月30日、首都キトで、燃料への補助金、肥料の半額支援など先住民側が掲げる要求の多くを盛り込んだ「合意文書」に署名しました。先住民団体が呼び掛け、全国各地で大規模デモが繰り広げられた「全国スト」行動は開始から18日目で終結しました。
現地からの報道によると、抗議活動の激化と治安部隊との衝突の中でこれまでに少なくとも8人の民間人が死亡しています。ラソ大統領は28日、治安部隊側にも1人の犠牲者が出たことを理由に、先住民代表との交渉中止を発表していましたが、カトリック教会組織が仲介で交渉が再開されていました。
注目されたガソリン・軽油など燃料支援策については、政府が補助金を出し、1リットル当たり5・3円の価格引き下げを図ることで合意。先住民側が要求していた14・2円の引き下げとは開きがあったものの、最終的に受け入れました。
このほか合意内容には、▽肥料価格の半額支援▽中小の農業生産者の債務免除▽農村での教育・医療予算増▽先住民地域の鉱山開発における住民との事前協議―など、先住民側の要求が多く盛り込まれています。先住民側の求めを受け、合意の履行状況を90日後に検討する項目も含まれています。
エクアドル先住民連盟(CONAIE)のレオニダス・イサ議長は、「全てを勝ち取ったわけではないが、人民が街頭に出て行動し、手に入れた勝利を認めるべきだ」と表明。イサ氏を含む先住民3団体の代表全員が文書に署名すると、詰めかけた先住民らから大きな拍手が湧きおこりました。