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2022年7月2日(土)

主張

「政治とカネ」疑惑

幕引きを許さない声を示そう

 参院選で「政治とカネ」「政治モラル崩壊」はあいまいにできないテーマです。安倍晋三・菅義偉政権以降に噴出した金権腐敗・国政私物化の数々の疑惑は、いずれも民主主義の根幹にかかわる大問題です。ところが岸田文雄首相は究明に背を向け、幕引きに躍起になっています。これでは政治への国民の信頼は失われるばかりです。疑惑隠しの自民党や公明党にノーの審判を下すことが必要です。

「負の遺産」隠しに終始

 安倍首相時代の「桜を見る会」では6月、新事実が判明しました。「桜」前夜祭にサントリーが大量の酒を無償提供し、安倍氏側がそれを出席者にふるまっていたことを本紙日曜版がスクープしました。違法な企業献金の疑いにとどまらず、酒税の見直しがサントリー側の有利になる方向で見送られた可能性も浮上しました。

 新疑惑について一切説明をしない安倍氏や、解明に動かない岸田首相の責任逃れは許されません。

 学校開設のため国有地を格安で払い下げた「森友学園」問題でも疑惑にフタをする岸田政権の姿勢があらわです。安倍首相が2017年2月の国会で、自分や妻が関係していたならば首相も議員も辞める、と答弁したのをきっかけに公文書の組織的改ざんが行われました。改ざんを強いられた近畿財務局職員・赤木俊夫さんは苦悩の末、自死に追い込まれました。

 妻・雅子さんは「真実が知りたい」と訴訟を起こしましたが、岸田政権は昨年12月、1億円の賠償金を支払う「認諾」という手段で一方的に裁判を終わらせました。訴訟で真相が明らかになることを避けるための卑劣なやり方です。

 国政私物化の隠ぺいをはかった権力犯罪で犠牲になった公務員の遺族への、あまりに冷たい仕打ちです。岸田首相は昨年10月の政権発足時、雅子さんから再調査を求める直筆の手紙を受け取り、「拝読した」と述べていたはずです。

 岸田政権による安倍・菅政治の「負の遺産」隠しはこれだけではありません。河井克行元法相・案里元参院議員による大型買収事件では、自民党本部から提供された巨額の資金が買収原資に使われた疑いがあるのに、調査を拒んでいます。

 菅氏と親密な関係だった吉川貴盛元農林水産相の鶏卵汚職事件では、同氏は議員辞職したものの、党独自の調査を放棄しています。公明党も、財務副大臣だった遠山清彦元衆院議員が謝礼を受け取り逮捕された貸金業法違反事件で、党として解明をしていません。

 疑惑解明に責任を果たさない岸田政権と与党の姿勢は、細田博之衆院議長のセクハラ疑惑を放置していることや、18歳女性への飲酒問題で議員資格が問われている吉川赳衆院議員を辞めさせていないことにも示されています。

清潔な政治の実現に向け

 金権腐敗事件や政治モラル崩壊を繰り返さないためには、疑惑を一つ一つ徹底究明し、けじめをつけることです。日本共産党が疑惑追及に力を発揮できるのは、汚れた政治と無縁だからです。

 金権腐敗の温床である企業・団体献金の全面禁止、政党助成金の廃止は欠かせません。清潔な政治を実現するためには、企業・団体献金も政党助成金も受け取らない日本共産党の躍進がなにより重要です。


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