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2022年6月30日(木)

シリーズ語ろう!スポーツ政策

神宮外苑 再開発計画

草野球の「聖地」守る

 都心に広がる草野球場のメッカが危機にひんしています。

図

自然景観破壊

 東京の神宮外苑には6面の野球場にフットサルやテニス場、ゴルフ練習場などがあり、樹齢100年を超える木々が並びます。自然景観を守る日本初の風致地区でもあります。

 この地の無謀な再開発計画は明治神宮、日本スポーツ振興センター、三井不動産や伊藤忠商事の4者が担い、東京都が深くかかわっています。

 再開発の出発点は、隣接する神宮球場と秩父宮ラグビー場の入れ替え建て替え案です。それが200メートル級の2棟の超高層ビルが建つなど巨大開発計画に変貌しました。

 その結果、貴重なイチョウ並木など1千本近い樹木が伐採され、都民のスポーツする場が失われます。計画は広く地域住民に知らされず、その声も反映されていません。

 風致地区でなぜこんな無謀な開発ができるのか。当初この地は15メートルの高さ制限がありましたが、都は国立競技場建設のため80メートルに緩和。さらに容積率を積み増す、事業者に至れり尽くせりの規制緩和で超高層ビル建設まで可能としてしまいました。

 外苑はそもそも国民の寄付や献木、勤労奉仕でつくられた公共性の高い施設です。地権者だから自由に開発していいのかという問題もあります。

計画断念せよ

 都民の意識調査で外苑再開発計画に「反対」は69・5%で、「賛成」はわずか5・7%にすぎません(「東京」28日付)。文化財保護の提言を行う日本イコモス国内委員会は、2本の伐採にとどめる試案も発表しています。

 計画には当初から日本共産党都議団が反対し、党のスポーツ政策でも「見直し」を求めています。現地視察をした参院東京選挙区の山添拓候補は、「歴史ある神宮外苑の樹木も景観も、多くの人が気軽に使えるスポーツ施設も壊し、もうけ優先の場に変えてしまってよいのか」と計画断念に全力を傾けています。


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