しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年6月30日(木)

軍事費の増額表明へ

NATO首脳会議 岸田首相が初出席

 【マドリード=石橋さくら】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が29日、マドリードで開幕しました。ロシアのウクライナ侵略を契機とした軍事同盟の一大強化が狙われる同会議に、岸田文雄首相は日本の首相として初めて出席しました。

 首相は同日午後(日本時間深夜)の拡大会合に出席。アジア・太平洋パートナーである日・韓・豪・ニュージーランドのNATO会議の参加は、欧州とインド・太平洋の安全保障が切り離せないことの認識の表れだと強調。「ウクライナの明日は東アジアかもしれない」と訴え、東・南シナ海での力による一方的な現状変更への危機感に言及し、対中国での欧州との連携の必要を強調する考えです。

 また、年末までに新たな国家安全保障戦略を作成し、「日本の防衛力を5年以内に抜本的に強化し、その裏付けとなる防衛費の相当な増額を確保する決意だ」と表明。日米同盟を新たな高みに引き上げるとも述べるなど、軍事費の国内総生産(GDP)比2%への引き上げを求めるNATOに呼応し大軍拡に率先して乗り出す姿勢をアピールします。

 NATO本部への自衛官派遣や、日・NATO相互の軍事演習へのオブザーバー参加の拡充、日韓豪ニュージーランドのNATO理事会会合への参加を進めるべきだと表明。NATOの準加盟国化の狙いが鮮明です。

 今回のNATO首脳会議では、向こう10年間の行動指針を示す「戦略概念」を12年ぶりに改定。ロシアを「最大で直接的な脅威」と位置づけ、中国にも言及します。北欧のスウェーデン・フィンランドの加盟の手続きを進めることも決定する見通しです。


pageup