しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年6月26日(日)

きょうの潮流

 参院選の期日前投票が始まっています。投票は選挙ごとに増加傾向なのに、「点字の選挙公報はまだ届いていない。前回は投票日3日前だった」。視覚障害のある山城完治さんは話します。候補者をじっくり選ぶ時間がないとの視覚障害者の声も▼「障害のある人にとってもっとも近くて遠いのが、選挙・投票です」。日本障害者協議会(JD)代表の藤井克徳さんのことばです。障害者は政治と無縁ではいられません。公的支援を得てこそ生活が成り立つからです。だけど投票しようとすると、さまざまな障壁が立ちはだかる現実が▼JDは事例を集め、総務省に改善を要望しました。地域の選管への要請に取り組む団体も。憲法と障害者権利条約は、障害の有無にかかわらず参政権を保障しなければならないとうたいます。障害者差別解消法は行政に対し障壁を取り除く義務を課しています▼知的障害者が投票できるよう活動する団体は、「知的障害者・家族・支援者のための選挙のしおり」を無料で配布します。読み書きが困難な人に投票所の係員による代理投票を知ってもらうためです▼「障害のあるわが子も投票できそうだとうれしくなりました」「苦労していました。娘の選挙にそのまま使います」。知的障害のあるわが子が参政権を行使できていなかった状況に心を痛める家族から喜びの声が▼「しおり」を使った学習会の計画も各地で。多くの人が不断の努力を続けています。障害者がそれぞれの願いを託して一票を投じられるように。


pageup