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2022年6月25日(土)

「核抑止力論は誤り」

禁止条約会議閉幕 「ウィーン宣言」採択

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(写真)市民社会の参加者らと会議の成功を喜ぶクメント議長(左)=23日、ウィーン(島田峰隆撮影)

 【ウィーン=島田峰隆】オーストリアの首都ウィーンで開かれていた核兵器禁止条約第1回締約国会議は23日、すべての議事を終えて閉幕しました。会議は、「核兵器のない世界」の実現へ向けた禁止条約の意義を強調し、核抑止力論の誤りを明確に指摘した「ウィーン宣言」と、条約具体化へ向けた50項目の「ウィーン行動計画」を採択しました。

 文書が採択されると、議場では外交官や市民社会の参加者が総立ちになって拍手を送り、会議の画期的成功を祝いました。

 宣言は、ロシアの名指しは避けつつ「私たちは、核兵器使用の威嚇に恐怖を覚え、がくぜんとしている」と表明。核兵器の使用やその威嚇は国連憲章を含む国際法への違反だとし、「明示的でも暗示的でも、いかなる状況下であろうと、あらゆる核兵器の威嚇を非難する」と強調しました。

 核兵器は脅迫や緊張激化の道具として使われているとし、「このことは核抑止力論の誤りをこれまで以上に明らかにしている」と指摘しました。

 また保有国が核兵器の増強を進めるなか「禁止条約はこれまで以上に必要とされている」と強調。すべての国々に対し、条約に遅滞なく参加するよう呼び掛けました。

 宣言は「本条約と核不拡散条約(NPT)の補完性を再確認する」と指摘。核兵器禁止条約による包括的核兵器禁止が、核保有国に核軍備撤廃交渉を義務付けたNPT第6条の実践を前進させたと述べています。

 行動計画は、条約の署名・批准国を増やす取り組み、核兵器使用や核実験による被害者の支援・環境修復などについて具体的な行動を列挙しています。

 会議のクメント議長は閉会にあたり「多国間主義がぎくしゃくし、核兵器が誤った方向に進むなか、私たちは正しい方向をはっきりと示した。行動し続けてどんな前進が可能か世界に示そう」と訴えました。

 第2回締約国会議は来年11月27日~12月1日にニューヨークの国連本部で、メキシコが議長国となって開催されます。


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