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2022年6月22日(水)

「平和な島」 沖縄の心届けるイハ氏 参院沖縄選挙区

改憲・新基地推進の自民候補 違い鮮明

 「オール沖縄」のイハ洋一参院議員が再選を目指す参院沖縄選挙区(改選数1)は、自民党公認候補の古謝玄太氏との激戦です。名護市辺野古の米軍新基地建設に反対し「基地のない平和の島を」との沖縄の声を届けるイハ氏と、改憲・大軍拡、新基地推進の岸田政権の代弁者である古謝氏との立場の違いが鮮明になっています。


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(写真)総決起大会でデニー知事(右)とともに訴えるイハ氏=18日、那覇市

 岸田政権は、ウクライナ危機に乗じた基地強化や敵基地攻撃能力保有、軍事費倍増をうたっています。こうした状況について、玉城デニー知事が策定した新たな建議書は「県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではありません」とし、平和的な外交・対話を訴えています。

 イハ氏は「屋良建議書からデニー知事の新たな建議書へとつながれた県民の思いを国に届ける」と強調。辺野古新基地を止め、憲法9条を守り、南西諸島への自衛隊ミサイル配備に反対し「二度と沖縄を戦場にさせない」と訴えています。

「有事」前提 再び捨て石

 一方、古謝氏は参院選自民党候補として初めて新基地容認を公約。7割超が埋め立てに反対した県民投票を足蹴(あしげ)にしました。

 さらに「自衛隊を憲法に位置づける」と改憲を主張し「対話だけでは自国の平和は守れない。抑止力を持つことが重要だ」と強調。岸田政権の軍拡路線に追従しました。強権をふるい沖縄の声を踏みにじってきた安倍、菅、岸田と続く自公政権の代弁者の姿が浮き彫りになりました。

 沖縄戦を経験した新川秀清元沖縄市長は、自公政権の軍備増強について、「言語道断だ。人間が人間でなくなる戦争はどんなことがあってもしてはならない」と訴えます。

 ところが、古謝氏を支援する自民党の島尻安伊子元沖縄担当相は、ウクライナ情勢にふれ「地政学的に沖縄県が背負う国防は重い」「台湾が有事になれば対岸の火事ではない」と発言。有事の際の県民の避難について「沖縄は島なので逃げられない。あるとしても自然壕の『ガマ』だ」(「日経」5月19日付)と述べました。

 沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんは「ガマは戦をしのいだ沖縄の人にとって霊域であり、めったなことでは足を踏み入れられない場所」と指摘。「政治家であれば戦争が前提ではなく外交で戦争を起こさないよう力を尽くすべきだ」と語ります。140万の県民が避難するのは非現実的で、太平洋戦争中に米潜水艦に撃沈された疎開船「対馬丸」の二の舞いになるといい、「沖縄から移動すべきは住民ではなく危険要因である軍事基地です」と訴えます。

 本部町島ぐるみ会議の女性(73)は、島尻発言に「再び沖縄を捨て石として差し出すもの」と憤り、「自民党候補は沖縄をつぶす政府の使者だ」と批判します。

消費税減税 イハ氏主張

 イハ氏は物価高騰から暮らしを守るため、消費税5%への減税も主張しています。しかし、古謝氏は「すぐにできる政策とは思っていない」と減税を拒否。暮らしの政策も違いがはっきりしました。

 南城市の女性(72)は「沖縄の心を持つイハさんしか県民を代表できない」と語り、参院選と9月の知事選の勝利へ「県民の底力をみせるとき」と意気込みます。


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