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2022年6月22日(水)

抑止力論のもろさ明確に

ウィーン 核兵器の非人道性会議

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(写真)オーストリア政府が主催した「核兵器の人道的影響に関する国際会議」=20日、ウィーン(島田峰隆撮影)

 【ウィーン=島田峰隆】核兵器禁止条約第1回締約国会議の開幕を翌日に控えた20日、オーストリアの首都ウィーンで同国政府が主催する「核兵器の人道的影響に関する国際会議」が開かれました。外交官、学者、市民社会のメンバーなど80カ国以上から約800人が参加しました。日本共産党の笠井亮衆院議員も参加しました。

 会議の議論を踏まえてオーストリア政府が主催国の立場で発表した議長総括は、「ロシアの指導的な政治家による核兵器使用の威嚇は、使用が今日いかに現実的な危険になっているかを示し、核抑止力論に基づく安全保障の脆弱(ぜいじゃく)さを明確に表している」と指摘しました。

 「ロシアのウクライナ侵略は、核兵器が戦争を防ぐのではなく、むしろ核保有国が戦争を始めるよう勢いづかせるという事実を浮き彫りにしている」と強調しました。

 議長総括は▽核爆発による人道的危機に対処することは不可能である▽「核の冬」は地球全体に影響し食料不足や飢餓を招く▽偶発的事故やミスなどによる核爆発の危険がかつてなく高まっている―ことなどを挙げ、「核兵器の廃絶だけが効果的な予防策になる」と指摘しました。

 会議では日本原水爆被害者団体協議会の木戸季市(すえいち)事務局長が被爆体験を語りました。

 開幕式典で発言した国連の中満泉軍縮担当上級代表(事務次長)は「非人道性の議論は核兵器禁止条約の締約国や支持国に限られるべきではない。これは地球上のすべての住民の問題だ」と指摘。核保有国も参加する8月の核不拡散条約(NPT)再検討会議で議論を継続することに期待を示しました。


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