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2022年6月21日(火)

JCPサポーター街頭宣伝

志位委員長との質疑応答

 日本共産党の志位和夫委員長は19日に東京・渋谷駅ハチ公前で行われたJCPサポーターの街頭宣伝で、サポーターはじめ参加者からの質問に答えました。参加者が志位さんにぶつけた質問とその回答は―。

正規雇用の賃金もあげてほしい

大企業の内部留保課税――大企業で働く人も、中小企業で働く人も賃上げに

写真

(写真)質問に対して答える志位和夫委員長=19日、東京都渋谷区

 最初に東京都杉並区の28歳の人から「非正規雇用だけでなく正規雇用も物価が上がっているのに賃金が上がっていない問題に対してはどう対処するのか」との質問が出されました。

 志位氏は、大企業の内部留保課税の提案を説明。「異次元の金融緩和」と減税によって大企業の内部留保がアベノミクスの8年間で130兆円も増え、今466兆円もあるとし、「ここに時限的な5年間の課税、具体的には毎年2%2兆円、5年間で10兆円の課税をやる」と述べました。

 志位氏は、これには「一石三鳥」の効果=(1)大企業減税の不公平を正す(2)賃上げとグリーン投資に対する控除で賃上げと脱炭素が進む(3)10兆円の税収を使って最低賃金を1500円に上げるための中小企業支援をやる=があるとし、「そうすると、大企業で働く正社員も賃金が上がります」と強調。「最低賃金も上がります。非正規の方も含めて、中小企業で働いている方も賃金が上がる。その上、グリーン投資も進む。どうか応援してください」と述べました。

子どもを産まないことにも保障を

子どもを産むかどうかは女性の自己決定権。その保障をしっかりと

 次に横浜市の30歳の人から「ジェンダー平等に関して、もう子どもを産んだ方ばかりに利益があって、子どもを産みたくない女性や子どもを産めない女性がどうしても排除されがちです。子どもを産まない女性も当たり前に何か支援を受けたり、子どもを産まないことで何か社会的にプレッシャーを与えられずに生きていける社会にするにはどうすれば」との質問が。

 志位氏は「子どもを産む産まない、この自由をきちんと保障する。これは基本的人権の非常に大事な中身だと思います」と語りました。

 志位氏は、共産党のジェンダー平等政策の中に、リプロダクティブヘルス&ライツ=性と生殖の自己決定権を太い柱で立てていると指摘。女性が子どもを産むのか産まないのか、いつ産むのか、これは女性の自己決定の権利であり、基本的人権だということをジェンダー平等の政策の太い柱に立てているとし、具体的には、科学的で包括的な性教育をきちんとやること、中絶でパートナーの同意を必要とする制度はあらためること、避妊薬なども安価で手に入るようにすることなどをあげました。

食料自給率・エネルギー自給率の引き上げは?

農産物の価格保障、所得補償、再エネ転換の加速急務

 東京都大田区の47歳の人は、食料の自給率とエネルギーの自給率が日本はとても低く、外国頼みになっているとして、「何かあった時にはみな自国を優先します。何で日本はこんな不安定な国になったんだろう。そこに対する展望があるのか」と質問しました。

 志位氏は「今度ウクライナの侵略が起こって、食料とエネルギーという二つの大事な分野で日本の自給率があまりに低すぎる。外国頼みになっている。この危険が現れてきたと思う」と指摘。食料は自給率37%まで下がり、主要国でこんなに低い国はないとし、「ここまで下げてしまった食料自給率を上げるためには、農産物の価格保障・所得補償をしっかりやって、農家の方々が安心して農業を続けられる収入を保障しなくてはなりません」と述べました。緊急の課題として、飼料代や肥料代などが高騰していることが大問題になっているとし、差額を補填(ほてん)する緊急対策を行っていきたいと述べました。

 さらに、エネルギーの自給率は10%だとし、OECD(経済協力開発機構)36の国のうち35位だと述べました。志位氏は「日本は再生可能エネルギーの潜在力が大変に豊かな国です」と指摘。「100%国産の再生可能エネルギーを大規模に普及する。そのためにも、原発に頼ってたらダメです。原発の即時ゼロを決断する。石炭火力から撤退する。再エネに置き換える」と語りました。

投票率を上げるには?

投票率が10%上がるなら大変動が。平和と暮らしのために呼びかけよう

 千葉県野田市の77歳の人は「投票率の低さ、本当に情けない。これを何とかしてください」と質問しました。

 志位氏は、投票率が10%上がっただけで投票者は1000万人増になると指摘し、「投票に行ってなかった方が足を運べば政治はいっぺんに変わる」と強調。「これまで投票にいってこなかった方も、今度の選挙は考えてほしいと思うんです」と語りました。

 志位氏は、「軍事費増やせ」の大合唱、物価高への政府の無策、異次元の金融緩和の継続などをあげ、「今の日本はどうもおかしいなと思っている方が増えているのではないでしょうか。そういう方がぜひ、よく見極めていただいて投票所に足を運んでいただいて、1000万人、2000万人と、こう投票率が上がれば、日本の政治はいっぺんに変わる」と強調しました。

虐待への保護進めて

行政の体制強化と運動を強めよう

 自身が「虐待サバイバー当事者」だという東京都新宿区の29歳の人は、当事者として虐待の実態を伝える活動をしているが、「虐待の後遺症もあり、お金も人も活動もかなりしんどい」と訴え。「こういった弱者が声を届けて社会を変えるためには、どうすればよいでしょうか」と質問しました。

 志位氏は、行政の側で虐待を見逃してしまうケースがあるとし、その体制をいかに強化していくかが大切だと強調。「行政の側が、虐待の心配のあるところに手を差しのべ、悲劇が起こらないようにする体制をうんと強めたい」と語りました。

 また、「虐待を受けた場合の心の傷は深いと思います。口に出すのもつらい。そういう状況の中で、被害者団体をつくり、気持ちを出し合って、自分を回復していく運動はとっても大事だと思います」として、「私たちも連帯してやっていきたい」と述べました。

経済的徴兵制怖い

まず今の軍拡を止め、平和外交の流れを強めよう

 横浜市の45歳の人は、軍拡が叫ばれる中、ウクライナ侵攻でも、貧しい人とマイノリティーの人たちが軍人として取られるという現実があり「経済的徴兵制」がいつか来るのではないかという怖さがあると告発。「戦前の戦争でひどい目に遭ったことが分かっているのに、なぜそれをいまだにまた持ち出すのか、軍拡による経済的徴兵制に対して、共産党はどうやってたたかっていくのか」と質問しました。

 志位氏は「まずは今の大軍拡を止めると、ここで力を合わせたいと思うんです」と切り出し、日本が軍拡をやれば相手はもっと軍拡をやる。結果として、日本にとって脅威が増すことになる。これが「安全保障のジレンマ」と言われるもので、岸田首相は「安全保障のジレンマをどう理解してますか」と国会で問われ、いま述べたことを答弁したと指摘。軍拡をやれば日本が安全になると思う方もいるかもしれないが、一層危険になると強調しました。

 それではいかにして外交で平和をつくるか。志位氏は、自身のASEAN(東南アジア諸国連合)歴訪の経験を紹介。ASEANが東南アジア友好協力条約を結んで、あらゆることを平和的な話し合いで解決する取り組みを半世紀にわたって続け、あの地域を戦争の心配のない平和な地域に変えたと述べました。

 志位氏は「そのASEANが今、力を入れているのが、東アジアサミットと言う、ASEANの10カ国と日本、アメリカ、中国、ロシアなどの8カ国でつくられている枠組みを平和の枠組みとして強化して、ゆくゆくは東アジア規模の友好協力条約を展望し、東アジアの全体を戦争の心配のないASEANのような地域にしようという構想、ASEAN・インド太平洋構想=AOIPです」と強調。「日本は、真剣になってASEANと協力してこの構想を推進し、東アジアを、時間はかかるかもしれないけれど、戦争の心配のない平和な地域にしていくという外交が大切です」と語りました。

政党助成金を受け取らないの?

国民の思想・信条の自由を害する。政党を根無し草にする悪い制度

 東京都八王子市の39歳の人は、政党助成金について「日本共産党は受け取っていません。企業からの献金も受け取っていません。だからこそ、経済界などに忖度(そんたく)しないでクリーンな活動ができているということはよくわかります。ただ、お金があってこそ政治活動を活発化したりできると思います。政党助成金を受け取ることを検討しないのでしょうか」と質問しました。

 志位氏は政党助成金の仕掛けについて、国民の中には自民党支持や共産党支持などいろいろな政党の支持者がいるにもかかわらず、一律に国民1人あたり250円を取られ、半分以上のお金は自民党に行くことになると指摘。「強制カンパじゃないですか。自分の支持してない政党に強制的に税金を貢がされるのは、憲法が保障する思想・信条の自由に違反する制度です。だから、私たちは制度の廃止を強く求め、受け取らないという立場を貫いています」と説明しました。

 志位氏は「政党助成金を受け取ったとたんに、国民の皆さんと草の根で結びついてきちんと募金を集めるなど、お金をつくっていく努力が弱くなってしまう」という政党助成金の問題点を指摘。「政党助成金は政党を強くするように見えて、実は根無し草にしてしまいます。政党の背骨を崩してしまうような悪い効果があります。だから、私たちは受け取らない。受け取らないで国民の皆さんのカンパや、『しんぶん赤旗』を取っていただくことで、財政を賄うのが一番正しい道だと思っています。自民党は財政の半分以上が税金です。こうなるともう国営政党です。まともな政党とは言えなくなってくると思います」と述べました。

高い学費で苦しいのですが?

学費の無償化めざし、入学金は廃止。大学で学ぶことは社会全体の利益になる

 メールで質問した都内の大学生は、日本の高学費は異常な上に、給付型奨学金の枠はいまだに小さく、貸与型奨学金に頼らなければならない状況の学生はたくさんいると訴えました。「学生のうちから何十万、何百万のローンを背負って社会に出なければならない」と述べ、「誰もが、学ぶ自由、進学する自由が保障されるべき」だとメッセージを寄せました。

 志位氏は「学費が高いために進学をあきらめたというたくさんの声を聞く」と発言。日本共産党は、学費の無償化を目指しつつ、まずは半額にすることを掲げていると述べ、入学金についても、日本にしかない非合理な制度であり、廃止すべきだと力を込めました。

 給付型奨学金拡充の重要性にも触れ、「自宅生で4万円、自宅外生で8万円」の奨学金を75万人規模で出すことを提案していると述べました。

 志位氏は、学費が上げられてきた背景には「受益者負担主義」があると強調。大学で勉強して利益を受けるのは学生個人だけでなく、「その個人が大学を出て社会に出ていったら、社会みんなの利益になる」と話し、「社会が学費を負担する。つまり学費はタダで当たり前」、この考え方で無償化の道を開きたいと訴えました。


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