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2022年6月19日(日)

なんだっけ

リュウグウ砂のアミノ酸って?

 Q 小惑星リュウグウから探査機「はやぶさ2」が地球に持ち帰った砂の分析結果が発表されたね。どんな発見があったの?

 A 生命を形作るたんぱく質の材料となるアミノ酸が23種類見つかりました。地球に落ちた隕石(いんせき)ではなく宇宙空間で直接採取した試料としては、これまでに欧州などの探査機が彗星(すいせい)のちりからアミノ酸の一つグリシンを検出した例がありますが、多種のアミノ酸が一度に見つかったのは初めてです。

 Q アミノ酸の発見はどんな意味を持つの?

 A 生命の起源をひもとく重要な手がかりです。無機物からアミノ酸を含む有機物が合成されて生命が誕生したと考えられていますが、その過程は謎です。

 アミノ酸は、地球の大気や海底の熱水噴出孔などで生成された説と、宇宙で生成され隕石などで地球にもたらされたとする地球外説が提唱されています。地球外にもアミノ酸が普遍的に存在することを実証した今回の発見は、地球外説を後押しする成果です。

 Q 今後の分析で注目されるのは?

 A アミノ酸には、鏡に映したように左右対称な左手型と右手型があります。注目点はその存在比です。地球の生物は、ほぼ左手型を使っていますが、その理由は解明されていません。隕石中では一部のアミノ酸に右手型より左手型の方が多い傾向が報告されています。今回見つかったアミノ酸に左手型が多ければ、生物が使うアミノ酸が宇宙からもたらされた可能性が高まります。(2022・6・19)


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