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2022年6月18日(土)

テレ朝系「報道ステーション」党首討論

志位委員長の発言

 日本共産党の志位和夫委員長は16日夜放映のテレビ朝日系「報道ステーション」に出演し、参院選の争点について各党党首と討論しました。志位委員長の発言を紹介します。司会は大越健介キャスター。

国民の安全をどう守るか

「軍事対軍事」でなく、外交で平和な東アジアをつくる

 ロシアによるウクライナ侵攻を受けて、「国民の安全をどう守るか」をめぐり外交・安全保障が最初のテーマに。岸田文雄首相が「防衛力の強化」「日米同盟の強化」を掲げ、公明党の山口那津男代表も「防衛力の強化」や「日米同盟の抑止力・対処力の強化」を主張したのに対し、大越キャスターが「防衛力強化をうたう与党に対し、まさに真逆の角度なのが共産党の志位さん」として見解を求めました。

 志位 ロシアの蛮行に乗じて、「敵基地攻撃」、「防衛費の2倍化」、そして「9条を変えろ」という大合唱が起こっていますけれども、軍事一辺倒で平和が守れるか。日本が軍拡で構えたら、相手も軍拡を加速します。「軍事対軍事」の悪循環に陥ってしまう。

 それから、「軍事費2倍」と言いますが、財源をどうするのか。消費税の大増税、あるいは社会保障の削減ということになって、暮らしを押しつぶすことになります。

 私たちは、「軍事対軍事」ではなくて、外交で東アジアに平和をつくる「外交ビジョン」を提唱しております。

 今、ASEAN(東南アジア諸国連合)は、ASEAN10カ国プラス日米中など8カ国でつくる東アジアサミット(EAS)を、平和の枠組みとして強化して、ゆくゆくは東アジア規模での友好協力条約を展望しようという大構想を提唱しています。「AOIP」(ASEANインド太平洋構想)といわれていますが、日本が取り組むべきは、ASEANと協力して、この道を推進することにあるということを強く言いたいと思います。

「核抑止」にとらわれていいのか

世界は乗り越えつつある――核兵器禁止条約への参加を決断すべき

 日本維新の会の松井一郎代表が、「積極的防衛能力」の構築を掲げ、「『核共有』を含めタブーなき議論が必要だ」などと主張しました。立憲民主党の泉健太代表、国民民主党の玉木雄一郎代表、また岸田首相らが「愚策」「時代遅れ」「非核三原則のもとで核共有は行えない」などの見解を述べるにとどまったのに対し、志位氏は次のように厳しく批判しました。

 志位 (維新の)「核共有」という議論に対して、日本被団協のみなさんが「日本国民を核戦争に導き、命を奪い国土を廃墟(はいきょ)と化す危険な『提言』だ」と撤回を求めています。これが被爆者の声なんですね。

 私は、さらに突っ込んで、「核による抑止、これにとらわれていいのか」ということが問われていると思うんです。「核による抑止」というのは結局、いざという時には核兵器を使う。つまり、いざという時には広島・長崎のような非人道的惨禍を起こすこともためらわない。これを前提にした議論です。それに、被爆国の日本の政府や政党がとらわれていていいのかと。

 そして、国際的には、核兵器禁止条約ができています。核兵器禁止条約というのは、核兵器の保有、使用を禁止しているだけじゃない。威嚇も禁止している。「核抑止」も禁止したところに、核兵器禁止条約の本当に大きな意義があるんですね。世界の流れは「核抑止」を乗り越えつつある。

 ですから、被爆国の政府がこの(「核抑止」の)呪縛を断ち切って、核兵器禁止条約に参加するという決断をくだす、(核兵器禁止条約の)締約国会議も初めての会議が開かれますが、そういう必要があると強く言いたいと思います。

国民の暮らしをどう守るか

最低賃金を1500円に、首相の消費税減税拒否論はどれも成り立たない

 「暮らしをどう守るか」がテーマに。番組では今年に入り1万品目が値上がりし、平均の値上がり率が13%に達するという中で、企業が価格転嫁する割合も44・3%にとどまっていることなどが示されました。共産、立民、国民、維新、社民、れいわの各党が消費税の減税・廃止を主張したのに対し、岸田首相が、消費税減税について、システム変更のコストがかかることや、社会保障財源であることなどをあげ「考えていない」と明言。4月の物価高騰の6割がエネルギー価格、2割が食料によるものだとし、「エネルギーと食品にターゲットを絞った物価対策」を主張しました。

 キャスターの大越氏は「最賃1500円」を掲げた志位氏に「最低賃金の引き上げの意味は」と尋ねました。

 志位 最低賃金、いま日本では900円台なんですね。最賃をぐっと引き上げることが、所得の少ない方にとって本当に暮らしの支えになりますけれども、労働者の平均賃金をぐっと押しあげることにもなる。ですから、ぜひ、最賃1500円、実現したい。

 それをやるうえで、私たちは、大企業の内部留保への課税、これを提案しています。アベノミクスでふくれあがった部分について、時限的な課税を行って、10兆円くらいの財源をつくりだして、最賃引き上げのための中小企業支援にあてると。こういう具体的な提案をしております。ぜひ、これは実行していただきたい。

 それからもう一つ、消費税の問題が議論になりました。

 先ほど、岸田さんが、生活必需品が高騰しているんだと。水光熱費と食料品が高騰していると、そこにターゲットをあてると(発言した)。その通りなんですよ。そこが4・8%上がっている。それに対して一番効果的なのは、消費税の減税じゃないですか。これ一番効果的。

 「システムの変更」が大変だと言った。しかし、世界の89の国・地域では(消費税・付加価値税の)減税をやっているわけです。日本だけができない道理はない。

 (消費税は)「社会保障の財源だ」とおっしゃった。しかし30年間、消費税を入れて社会保障は良くなっていないじゃないですか。法人税やお金持ちのための減税の穴埋めに消えてしまった。

 これが事実ですから、私は、富裕層や大企業に応分の負担を求めて、そういう税制改革をやって、消費税5%に下げる。インボイスは中止する。こういう決断が必要だと思います。


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