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2022年6月18日(土)

きょうの潮流

 お金がないわけではないのに、食べ物を買えない。生きようとしていることに、息苦しさを覚える。そこにあるのは、あすへの不安。それでも、生きていかなければいけない私…▼日本民主青年同盟(民青)のフードバンクに参加した主人公の女性。そこに食料をもとめてやってきた大学生の男性と知り合い、自分自身を見つめ直していく。民主文学の新人賞を受賞した上村(かみむら)ユタカさんの小説「なに食べたい?」です▼食べることを通して描く、いまの若者につきまとう、貧困と不安。それが心をもむしばんでいく様子が現実を映し出しています。実際、民青がとりくんできた「生の声」運動には若い世代からの切実な叫びが次々と寄せられました▼物価高で生活が苦しく、1人暮らしもままならない。給料は上がらず貯金もできない。「青年・学生全国集会」で多くが将来への不安を抱いていると発言した中山歩美副委員長は、同時に政治を変えたいとの強い思いが伝わってきたと▼競争と分断をあおってきた新自由主義からの転換、最低賃金の引き上げや労働条件の改善、高学費の無償化をめざす―。集会では日本共産党がうちだした政策への熱い期待が語られました。希望がみえる政治へ。それは生きづらさを抱える若い世代のねがいでもあるはずです▼先の小説では、他者とつながることで主人公の心の中に変化が生まれます。「わたしはいまを生きているから」。人間としての尊厳をもとめながら、もがいている若者たちと響き合うように。


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