2022年6月15日(水)
きょうの潮流
遠い思い出になりますが、たしかにこの身が覚えています。小学生のときに背負った、あのランドセルの重たさを▼昔と変わらないどころか、いまのランドセルはより中身が重くなっているといいます。教科書は年々分厚くなり、教科数も増加。そのうえタブレットやコロナ禍で水筒の持参も。教科書を置いていくことを禁じる学校もいまだに多い▼学校用品会社の昨年の調べでは小1~3年生のランドセルの重さは平均で4キロ近くに。ときには5キロをこえることもあり、9割の子どもが「重い」と感じています。それが原因で通学を嫌がったり、肩や腰、背中などの痛みを訴えたりする子どもたちもいます▼重たいランドセルを背負わず、キャリーケースのように持ち運べれば…。栃木県日光市の小学生たちの自由な発想からうまれた「さんぽセル」。タイヤの付いたスティックを装着することで負担を大幅に減らすことに成功しました▼ところが実際に商品化されると、おとなたちから批判が殺到。それに反論し、広めるために努力する小学生の姿がたくましい。子どもの権利条約に記されているように、彼らには自分に関係のあることについて自由に意見を表す権利があります▼きょう国会では「こども関連法案」が成立する見通しです。政府は子どもを真ん中にする社会をめざすとしますが、子どもの権利を支える仕組みはみえてきません。施策の拡充は必要ですが、まずは主権者として子どもの人格と主体性を認めることから始まるのでは。








