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2022年6月15日(水)

資材高騰から農家守れ

水田交付金削減中止など 共産党が農水相に要請

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(写真)金子農水相(右から2人目)に要請書を渡す(右から)田村(1人おいて)、紙、いわぶちの各氏=14日、農林水産省

 日本共産党国会議員団は14日、金子原二郎農水相に対し、コメからの転作を支援する「水田活用の直接支払交付金」(水田活用交付金)の削減中止、農業資材の高騰から農民の経営を守る対策などを要請しました。

 水田活用交付金の削減中止▽肥料価格の高騰分を農家に直接支援▽配合飼料高騰で農家への直接補てん▽肉用牛・豚の経営安定交付金を生産費補てんに改善▽販売収入が生乳生産費を下回った場合に差額を補てんする「酪農マルキン」の新設▽燃油価格高騰で農家への直接支援―など7項目です。

 田村貴昭衆院議員(農林水産部会長)、紙智子参院議員(党農林・漁民局長)、いわぶち友参院議員が農水省で要請。田村氏は「資材高騰で農家は四苦八苦している。緊急に実効ある対策を」と求め、金子農水相は「状況の推移、みなさんの意見を踏まえ対策を検討したい」と答えました。

 紙氏は「酪農は乳価の下落と飼料高騰で打撃を受けており、補てん制度が必要だ」と強調。いわぶち氏は「気候危機もあり事態が続く問題だ」として対策を求めました。


農家経営の支援 党国会議員団の申し入れ(要旨)

 日本共産党国会議員団が14日、金子原二郎農水相に対して行った「農業経営への緊急支援を求める要請」の要旨は次の通りです。

 ロシアによるウクライナ侵略は、国連が「第2次世界大戦以来、最悪の食料危機」と警告する深刻な事態を生み出している。

 担い手と農地の減少など生産基盤が弱体化するなか、直面する農家経営の危機を打開し、食料の増産、自給率の向上に踏み切ることは、国政の重大な課題である。

 政府は「水田活用の直接支払交付金」(水田活用交付金)の削減を中止し、離農を防ぐ緊急の支援策を講じるとともに、大小の農家のコストの不足分を補てんする政策に転換するべきである。

 (1)水田活用交付金の削減を中止し、コメと他の作物との収益性の格差を是正することを基本に維持・拡充する。実質的に畑地化している場合は、麦・大豆・飼料作物の生産が維持できる他の支援策を行う。

 (2)政府が肥料価格の高騰分を農家に直接補てんする緊急対策を行う。中長期対策として、影響を緩和する肥料価格安定対策を国の負担で創設する。堆肥・稲わらなどの利用拡大への支援を拡充する。

 (3)飼料価格安定制度を高騰前の価格との差額を農家に直接補てんする仕組みに改める。

 (4)粗収入が標準的経費を下回った場合に差額を補てんする「肉用牛肥育経営安定交付金」「肉豚経営安定交付金」は、農家負担をなくし、国の全額負担で実質的な生産費を全て補てんする制度にする。

 (5)生乳の生産費を販売収入が下回った場合に差額を補てんする「酪農マルキン」制度をつくる。乳製品の輸入を減らし、政府の責任で需給安定をはかる。

 (6)燃油高騰に対しては、石油元売りだけではなく、農家に直接補てんをする。野菜価格安定制度の対象品目・産地を拡大し、保証基準価格を生産費に見合った水準にする。

 (7)中山間地域等直接支払制度を、条件不利の補正だけではなく、中山間地域に居住すること自体を支援するものに抜本的に拡充する。


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