しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年6月8日(水)

きょうの潮流

 今月1日の「国際こどもの日」。ゼレンスキー大統領が幼い名前を読み上げました。ロシア軍の攻撃をうけて犠牲になった子どもたちです▼日々戦火にさらされるウクライナの子ども。ユニセフによると1日までに少なくとも262人が亡くなり、415人が負傷。3人に2人が避難をよぎなくされ520万人が人道支援を求めています▼戦禍や飢えに真っ先にあえぐ子どもたちの姿。それをカメラに収めてきたのが田沼武能(たけよし)さんでした。ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんに同行し、緊急に援助を必要とする国々をめぐりました。20世紀最悪の飢餓といわれた1984年のアフリカ・タンザニア訪問以来35年、懸命に生きようとする姿を伝えつづけました▼喜怒哀楽をぶつけてくる彼らが何に笑い、泣いているのか。「どんな過酷な状況でも、子どもは前向きに生きようとします。私たちおとなが絶望してはいけないんです」。いつもレンズの先に見ていたのは世界中の子どもたちの笑顔です▼時代が刻まれた人物の「顔」や庶民の日常も切り取ってきました。そこには目に焼きついた東京大空襲の惨状が原点という平和への強い思いがあります。「写真は人間の記録遺産」だと▼同志のような存在だった黒柳さんとは今年も視察に行く約束をしていたといいます。ふたりの訪問記を欠かさず載せてきた本紙日曜版は「世界から戦争と飢餓をなくすための仲間」だと信頼を寄せてくれました。93歳の旅立ち。最後まで子どもたちの幸せを願いながら。


pageup