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2022年6月3日(金)

自民・西村氏 公式サイトに「美人図鑑」

多数の写真を掲載「両手に花」「昼寝中」

 新型コロナウイルス感染症対策担当相などを歴任した自民党の西村康稔衆院議員が、長年にわたって自身のオフィシャルサイトに「美人図鑑」などと題して多数の女性の写真を連続して掲載し、「若き美人たち」「美人ぞろい」などの説明文を添えていたことがわかりました。女性を外観や性的観点から評価したととらえられる表現も多く、説明責任が問われます。


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(写真)西村康稔衆院議員のオフィシャルサイトに掲載された写真と説明文(画像処理は編集局で実施)

 同議員サイトの「とっておきの一枚」と題するページは遅くとも2008年ごろから17年ごろにかけて、「世界美人図鑑」や「世界各国美人図鑑」などの小題で女性や、同議員と女性が一緒に写った写真を少なくとも100回以上掲載。女性は外交官ら各国要人、同議員が参加した催しの参加者、通行人など多岐にわたります。

 2人の女性と同議員が写った写真には「美人競演」「両手に花(!?)」との説明文がありました。外交の場と思われる写真では「さすが、シルクロードの国、美人ぞろいです」と記すなど、女性の「美」と国への評価を関連付けるような表現もみられます。

 海外撮影と思われる写真では、戸外を歩く女性の後ろ姿をある程度の距離から撮影し「買い物帰り(?)後姿美人(?)」と「解説」するものも。「市場で昼寝中の美人(?!)」「美人スチュワーデスさんが、バナナをほおばるのを目撃!?」などとしたものも含まれます。

 これらの写真や説明文は1日午後時点で、サイト上で閲覧可能でしたが、2日未明までに見られなくなっています。

 取材に対し同議員事務所は「17年8月時点で更新を停止していたが、削除することを失念していた。この間、不愉快な思いをされた方もおられると思うが、すべて削除した」と回答しました。他方で、女性本人に撮影と掲載の許可・承認を得たかどうかについての質問には回答しませんでした。

女性を「モノ化」 性差別に基づく

ジェンダー問題に詳しい太田啓子弁護士

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 一般的に女性は容姿に過剰な価値を置かれがちです。「美人」とほめているように見えますが、「図鑑」という言葉からは、女性を「モノ化」してコレクションするような印象を受けます。女性を自分と対等な人格ある存在として見ていないという意味で、性差別に基づく行動だと思います。

 通りすがりの人を承諾なく撮影したと見える写真もありました。見ず知らずの人に無断で写真を撮られ、容貌をジャッジする文言付きでネットに掲載されるなんて、とても気持ち悪いことです。肖像権の侵害にもなりえます。

 そもそも非常識なことはもちろんですし、政治家として許されない行動だという認識もなかったのでしょうか。


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