2022年6月1日(水)
「骨太」原案 軍拡提起
経済財政諮問会議に提示
政府は31日、経済財政諮問会議(議長・岸田文雄首相)を開き、経済財政運営の基本指針「骨太の方針」の原案を示しました。
原案は経済財政運営について、アベノミクスで掲げた「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略」の3本の矢を「堅持」すると明記。輸入物価の高騰をもたらしている「異次元の金融緩和」を通じた、日銀の「2%の物価安定目標」の実現にも「期待」しています。
自民党がGDP(国内総生産)比2%以上を目標とした軍拡を求めていることについて、軍事力を「抜本的に強化」すると提起。「スタンド・オフ防衛能力や無人化装備、宇宙・サイバー・電磁波領域を含む領域横断能力、機動展開能力、指導統制・情報関連機能」など具体的に強化内容を列挙したうえで、「民生技術を取り込み」「先端技術の研究開発を進める」としました。「骨太の方針」が軍拡を後押しするものとなっています。
経済安全保障について「重要な課題」と位置づけ、重要物資の安定供給のための支援措置の整備などを行うとしました。「先端的な重要技術」育成のために、5000億円規模へプロジェクトを強化することを求めました。各省庁での経済安保の事務を調整するため、内閣府に経済安全保障推進室(仮称)を設置することを求めました。
2023年度の予算編成に向けては、基金の活用などをあげ、「単年度主義の弊害是正」に取り組むとしました。国会審議を通じて毎年度の予算を決定するという財政民主主義を破壊するものです。
社会保障については「医療・介護費の適正化を進める」と明記。病院・病床削減の地域医療構想や要介護1・2の生活援助の介護保険給付外しなど、過去の改悪計画をすべて引き継いで「総合的な検討」を行う方針を示しました。マイナンバーの保険証利用を進めるとし、「保険証の原則廃止を目指す」と明記。エネルギー分野では「安全保障」を口実に「原子力」を「最大限活用する」としました。
一方、女性活躍については国会内外の動きを受け、「大企業に男女間の賃金格差の開示を義務付ける」としました。
岸田政権は「骨太の方針」を7日に閣議決定することを目指しています。








