2022年5月31日(火)
きょうの潮流
思っていたよりも組織キャンプが実施できたのは「みんなでがんばっていこうね」と支え合った成果だと思います―▼公益社団法人日本キャンプ協会が『キャンプ白書2021』を発行しました。組織キャンプとは、教育的な目的をもち、組織的に行われるキャンプのこと。昨今ブームの「ソロキャン」とは違って何人かで寝食を共にすることが多く、新型コロナの感染対策に直面しました▼白書は「組織キャンプの火を絶やすまい」と苦闘した記録でもあります。バスの換気機能が不明で、キャンセルが相次ぎました。日帰りや1泊2日が主流となり、組織キャンプの教育的効果を発揮できないもどかしさ。密を避けた“ソロテント”という新しい形も。試行錯誤をして20年夏、8割近くが実施しました▼支えになったのがオンラインの活用でした。キャンプ場をきれいにする様子の生配信は「みんなが来れるよう準備してるよ」とのメッセージに。実施するための工夫をオンラインで交流し、「密」を避けるためと疎遠になりがちだった関係をつなぎとめてきました▼いつもとは違う環境の中で関わり合い、自分を見つめ直しながら成長するのが組織キャンプの醍醐味(だいごみ)です。ただ、こうした教育的効果は数値では表しにくいこともあり、公的なサポートは乏しいのが実情。「国はもっとアピールしてほしい」と願います▼そもそも「密」を避ける生活を味わおうと広がったキャンプの、持ち味がもっと発揮できたなら。この時代の新しい形も探りつつ。








