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2022年5月27日(金)

きょうの潮流

 日本の戦時中、街にこんなポスターが張られました。「国債を買つて戦線へ弾丸を送りませう」。郵便局売り出しの「支那事変国債」には「銃とる心で国債報国」との文言も▼日中戦争からアジア太平洋戦争期、日本は戦費の7割強を戦時国債によって賄っていました。戦争遂行のため、ふくらみ続けた軍事費。巨額の国債発行は国民生活や経済を壊し、敗戦後も激しいインフレを招いて紙くずとなりました▼戦後すぐに定めた財政法はその反省にたち、第4条で国債の発行を原則として禁じました。起案した平井平治・大蔵省主計局法規課長は当時、解説書に「公債のないところに戦争はない。本条は憲法の戦争放棄の規定を裏書き保証せんとするものである」と明記しました▼ところがいま、戦争国債を復活させようとする動きがあります。軍事費の倍増をねらう自民党の安倍元首相が、その財源として新たな国債の発行を求めました。史実とむきあわず、都合よくゆがめる人物ならではの主張です▼岸田首相も、バイデン米大統領との対談で日本の防衛力を抜本的に強化するとして、軍事費について「相当な増額を確保する」と誓約しました。軍拡は戦争を呼び込む。それをくり返すというのか▼物価高騰で多くの国民が苦しんでいるときに、ひたすら軍拡に走る。安倍元首相は「防衛費は次の世代に祖国を残すための予算だ」といいつのりました。国を壊した歴史の教訓を忘れ、破滅の道へと逆戻りする勢力に未来を託すわけにはいきません。


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