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2022年5月26日(木)

きょうの潮流

 一つだけ願いがかなうなら何が欲しい? 先ごろ、NHKがアンケートで小学生から大学生までの1万人に聞きました。答えのトップはなんと「お金が欲しい」。1700人を超えました▼今の子は抜け目なく、たくましい―。しかし、それは早計でした。現実に目を向けると、大学を出て社会人になると、まず迫られるのが奨学金の返済。数百万円にも上ります。その先、年金はもらえるのかどうか。生涯を通して経済不安がのしかかっているのです▼ユニセフ(国連児童基金)が2020年に発表した子どもの幸福度調査によると38カ国中、日本は身体的健康が1位。ところが精神的幸福度は下から2番目の37位でした。20年度、自殺した子どもは400人を超え、不登校は19万人以上に。いずれも過去最高でした▼受験戦争、いじめ、引きこもり。子どもたちを取り巻く環境は過酷です。幸福度1位のオランダは、個性を尊重し合い、共生心を養う教育プランを実施。3位のノルウェーは大学まで無償となっています▼子どもの幸福のためには何が必要でしょうか。学費を下げる、学歴や偏差値に重きを置く画一的な学校教育ではなく多様性のあるものに。子どもの貧困をなくしていくことも求められます▼希望はあります。NHKの番組でも19歳の女性が登場。保育士になりたかったけれど給料が安いといいます。「小さい子を育てるようなところにお金を使う政治になればいい」と。若い世代の声に耳を傾けて、期待に応えていきたいものです。


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