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2022年5月26日(木)

生活保護減額は違法

熊本地裁判決 処分取り消し 原告勝訴

大阪地裁に次ぎ2例目

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(写真)勝訴を知らせる旗を掲げる浅井さん(左)ら=25日、熊本地裁前

 2013年からの生活保護費の引き下げは生存権を保障する憲法に違反するとして、熊本県内の生活保護利用者36人が熊本市などを相手取って引き下げ処分の取り消しなどを求めた「ストップ!生活保護基準行政処分取り消し請求訴訟」(いのちのとりで裁判)の判決が25日、熊本地裁でありました。仲辻雄一朗裁判長は、引き下げ処分を取り消す原告全面勝訴の判決を出しました。

 全国の同種の訴訟で10件目の判決で、処分を取り消したのは、昨年2月の大阪地裁判決に次ぐものです。

 判決では、「ゆがみ調整」や「デフレ調整」などの調整に際し、厚生労働大臣の判断過程や手続きに「過誤欠落」があると指摘。厚生労働大臣の裁量権を逸脱・乱用したものと言わざるを得ないとしています。

 判決後、法廷に入れなかった支援者らの前に「勝訴」の旗が掲げられると大きな拍手が。原告団や弁護団などは連名で声明を発表し、「原告らの置かれた厳しい生活実態を真摯(しんし)に受け止めた」と評価。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を具体的に保障する勝訴判決」としました。

 報告集会で原告の浅井勝也さん(80)は、「裁判で(生活の内容など)恥ずかしいこともさらけ出したことがいい結果につながった」と話しました。

 弁護団の加藤修団長は判決を、「全国の裁判を勇気づけるものとなった」と評価。阿部広美事務局長は「判決は裁量権の逸脱乱用を認め国の違法性を指摘した」と話しました。


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