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2022年5月20日(金)

きょうの潮流

 「講師が確保できずに、担任が確定しないまま新年度がスタートした」「一人で2クラスを行ったり来たりしながら授業をした」―。日本大学の末冨芳(かおり)教授らによる教員不足問題についてのアンケートに寄せられた教師たちの声です▼アンケートはまだ継続中ですが、中間集計では約4割の教職員が、4月の学校開始時点で教員不足が起きていると回答しています。「妊娠中も体育の代替の先生が見つからず、おなかが大きくなるまで体育の授業をした」という人もいます▼教員不足が問題化してから久しくなります。政府はいまだに有効な手だてをとらず、現場の状況は深刻になる一方です。人が足りないために1人の負担が重く、長時間過密労働に。そのことでますます教員のなり手がいなくなるという悪循環が起きています▼産休や育休の代替を探して教頭が連日、電話をかけ続けても見つからない。過酷な勤務で心身を壊して休職する教師も多く、その代替もいない。アンケート結果からは現場の悲鳴が聞こえてきます▼末冨教授らは教員不足解消の「緊急提言」を出しました。すぐに教員として働いてくれる人を増やすための「応急処置」、仕事に魅力を感じながら働ける環境をつくる「体質改善」、そして教員定数や義務教育費の国庫負担を増やす「根本治療」の三つを訴えています▼「仕事の量を減らし、人を増やして」という現場の声は切実。お金をかけずに小手先の対応でなんとかしようという政府の姿勢ではけして解決しません。


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