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2022年5月14日(土)

学校空爆は人道法違反

国連安保理会合 ロシア批判相次ぐ

 【ワシントン=島田峰隆】国連安全保障理事会は12日、公開会合を開き、ロシアによる侵略がウクライナの子どもたちに与えている影響について議論しました。7日にウクライナ東部ルガンスク州で避難場所となっていた学校が空爆されて多数の死傷者が出たことをめぐり、国際人道法違反だと厳しく批判する声が相次ぎました。

 国連児童基金(ユニセフ)のオマール・アブディ事務局次長は、ウクライナ情勢を安保理に前回報告して以降の1カ月間に約100人の子どもの死亡を確認したとし、実際はもっと多いと考えられると強調しました。

 同氏は「ウクライナでの戦争は子どもの権利の危機だ」と指摘。ルガンスク州での学校空爆に関して「子どもの権利を守るために、紛争当事者は国際人道法と人権法を尊重する法的、道徳的義務がある」と強調しました。

 ユニセフによると、ウクライナ全土の数百の学校が空爆や砲撃を受けるなどしています。他の学校も避難場所や物資供給拠点として活用されています。

 ウクライナのキスリツァ国連大使は、ロシアの侵略で少なくとも220人の子どもが殺害され、これまでに約130の教育施設が破壊されたと非難しました。

 フランスのドリビエール国連大使は「子どもの殺害は最も深刻な国際法違反だ」と糾弾。「これらの犯罪について罰を免れることはできない」とし、ロシアに対し、ウクライナ侵略の即時停止を命じた国際司法裁判所(ICJ)の仮保全措置に従うよう要求しました。

 ノルウェーの代表は、ロシアの行動は国際人道法や紛争下での教育施設の保護を定めた安保理決議に違反すると指摘。「人道上の危機」に関して「ロシアにのみ責任がある」と述べました。

 ルガンスク州での学校空爆については「実行犯に責任を取らせねばならない」(ガーナ)、「国際人道法の重大な違反であり、いっさい正当化できない」(アルバニア)など多くの国が批判しました。


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