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2022年5月8日(日)

きょうの潮流

 筆者はパンが大好きです。ベーカリーショップでトレーとトングを持ち、品定めする時間は至福のひとときです。「グルテンフリー」の米粉パンも増えていますが、やはり小麦粉のパンを選ぶことが多い▼ただ、ここ数年小麦の価格上昇が続き、パンが小さくなってきました。追い打ちをかけたのがロシアのウクライナ侵略です。農水省は今年4月以降、輸入小麦の政府売り渡し価格を17・3%引き上げると発表しました▼米農務省の2021年資料によれば、小麦の輸出量はロシアが第1位、ウクライナが6位。あわせて全体の約3割を占めます。日本で消費されている小麦の輸入元は米国、カナダ、オーストラリアがほとんどですが、農水省は「ウクライナ情勢等の供給懸念」による価格高騰だと説明しています▼食料やエネルギー価格は国際情勢に大きく左右されます。資源の多くを輸入に頼る日本にとって死活問題です。一刻も早く侵略戦争をやめさせ、ロシアに責任をとらせることが最善の道ですが、長期化も懸念されます▼ウクライナ情勢を悪用して大軍拡を叫ぶ勢力に言いたい。一つは、そんな金があるのなら物価高に苦しむ国民の生活支援に回せ、と。もう一つは安全保障=軍拡・改憲という短絡的な発想をいいかげんやめるべきだということです▼食料・エネルギーを安定的に供給するための外交努力と、先進国でも最低水準の自給率を高め、「脱炭素・自然エネルギー」の道を選ぶ。これこそ、日本の安全保障の最優先事項です。


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