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2022年5月4日(水)

きょうの潮流

 どちらがより空想的か。SF小説の話なら興味をそそりますが、そうではありません。カジノを中核とする統合型リゾート(IR)の誘致計画です▼和歌山の計画は県議会で否決されとん挫。誘致に熱心だった元自民党幹事長の地元にもかかわらず、自民党県議からも異論。初期投資約4383億円の調達先がほとんど明らかにされなかったからです▼大阪の計画はさらに巨額。初期投資額は約1兆800億円です。年間売り上げの8割の約4200億円をカジノで稼ぐ想定。府・大阪市議会で維新、公明らの賛成多数による議決を経て国に申請されましたが、荒唐無稽さでは和歌山に負けていません▼コロナ禍で国内外の観光需要は様変わりしたのに大阪IRへの入場者を年約2000万人と算定。日本共産党の大門みきし参院議員は全国のパチンコ利用者890万人をカジノ施設に呼び込んでも足りず、イベント会場は「乃木坂46」の1万人コンサートを1日2回行い、国際会議場は警備を含めて3万人のG20首脳会議を2日に1回開く規模だと指摘します▼こちらは現実的な話。カジノ事業者は大阪市議会で「ギャンブル依存症の問題を抱えているかもしれない約2%のお客様」をサポートすると発言。日本人のカジノ施設入場者が約1000万人とすると毎年約20万人が依存症になる計算です▼税金は一切使わないはずが予定地の汚染・液状化対策だけで大阪市の負担は約790億円。自民党市議団ですら反対した計画を国は認定できますか。


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