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2022年4月26日(火)

きょうの潮流

 苦しみのなかにいる人たちは、どんな思いで祈りをささげたのか。ロシア軍の侵攻から2カ月がたった24日、ウクライナはイースター(復活祭)を迎えました▼キリストの復活を祝う春の宗教行事であるとともに、家族みんなで喜びあい、さまざまな催しを楽しむ日。戦火のなかの市民は、装飾が施された卵やパンの入ったバスケットを持って集まりましたが、いつもの笑顔はありません▼離れ離れの家族、絶え間のない攻撃への恐怖。司祭を前に「どうやって、この感情を伝えることができるのか」と嘆き悲しむ姿も。ローマ教皇が呼びかけた停戦にもロシアは応じず、復活祭の期間中に爆撃されたオデッサでは生後3カ月の乳児を含む8人が亡くなっています▼命の復活と繁栄を祝うさなかの蛮行。聖堂を訪れたゼレンスキー大統領はこう訴えました。「光は闇に、善は悪に、生は死に打ち勝つ」。それはいま、平和をもとめる人びとの心からの願いでもあるでしょう▼ロシアの戦争はコロナ禍でくらしや経済が打撃をうけるなかで、世界中の軍事支出を大幅に増やそうとしています。それだけの財源があれば、どれほど生活のためになるか。プーチン政権の重い罪はそこにも▼日本でも軍事には軍事を、と主張する勢力がさかんに武装をあおっています。しかし力による対抗は、今回のような戦争の悲惨を防げないことをはっきりと示しました。それに変わる道、平和への祈りをどう実現していくか。日々を憂える私たちの手にかかっています。


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