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2022年4月23日(土)

きょうの潮流

 そんな隠語があること自体、知りませんでした。「5月35日」。中国で天安門事件が起きた1989年6月4日をさします▼それから30年後の北京を舞台にした芝居「5月35日」が上演中です(東京芸術劇場で24日まで)。天安門事件で息子を国家に殺された老夫婦の物語。沈黙を強いられてきた母が、ついに立ち上がります。それは命日に息子を天安門広場で弔う。たったそれだけのことでした▼「天安門の母」たちの声を聞き取り、戯曲にしたのは香港の劇作家・莊梅岩さん。香港では2019年に初演されました。かつてこう語っています。事件の遺族たちはいまだに当局に監視されており、亡くなった者の冤罪(えんざい)はまだ晴れていない。30年前の中国で起きたことは、今の香港で起きていること、と▼民主化を求める非武装の学生や市民の運動を「動乱」と決めつけ、武力で弾圧した中国政府。89年6月5日付の本紙1面には、日本共産党中央委員会の抗議声明と共に、軍に銃撃された学生の遺体の写真が掲載されていました▼今作の主演・竹下景子さんが日曜版のインタビューで語っています。「自由にモノが言える先に本当の平和がある」。ウクライナを侵略したロシア、香港政府、そしてその背後にいる中国政府の人権侵害、戦前の日本。「反戦デモ」を敵視する現在の日本も例外ではないでしょう▼「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」と明記した日本国憲法。その重みをかみしめ、抑圧された世界の人びとと連帯を。


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