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2022年4月21日(木)

きょうの潮流

 韓国の男子高で国語を教えるチェ・スンボムさんは、生徒の気づきを促すように授業を工夫しています。教科書の小説や詩、映画を使い、そこに潜む女性差別を問いかけ論議します▼彼は自己犠牲に満ちた母親の人生を通してフェミニズムを学びました。その自責の念は目覚めにつながり、生き方に変化をもたらしました。いまでは既得権に長く漬かってきた男性の意識こそ変えようと社会に呼びかけます(『私は男でフェミニストです』)▼日本では女性をさげすむ発言が相変わらず続いています。「生娘をシャブ漬け戦略」「田舎から出てきた右も左も分からない若い女の子を無垢(むく)、生娘なうちに牛丼中毒にする」。牛丼チェーン吉野家の常務が発した暴言です▼驚くべきは、この発言が講師として社会人に向けたものであったこと。学びの場である早稲田大のマーケティング講座のなかで飛び出しました。教授やほかの講師もいた教室では笑いが起こり、その場で注意する人はいなかったといいます▼救いなのは抗議した受講生がいたこと。不適切な発言を運営側に報告して謝罪を求め、今回の件をSNSで明らかにしました。「こんな言葉は下の世代には絶対に聞かせたくない」▼問題の常務は解任されました。フェミニズムは女性のためだけの運動ではない、狭く硬い殻に閉じ込められた男性の呼吸をも楽にするとスンボムさんはいいます。平等へと向かう人類の進歩は止まらない、男が変われば変わるほど、新しい日は早くやってくると。


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