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2022年4月20日(水)

きょうの潮流

 きょうは「穀雨」。百穀春雨といわれ、たくさんの穀物をうるおす春の雨という意味があります▼この時期の恵みの雨にはさまざまな名が付けられています。作物や草木をはぐくむ瑞雨(ずいう)や甘雨。菜の花が咲くころにふる菜種梅雨。早く咲いてと花に促すような催花雨(さいかう)。春の長雨をさす春霖(しゅんりん)…。それだけ昔の人は、自然とともに歩んできたのでしょう▼穀雨は種まきの目安にもなってきました。農家は秋の収穫にむけて田畑の準備にとりかかります。今年も田植えのニュースが各地から。一方で、いま農に携わる人たちの悲鳴が聞こえてきます。「もう限界だ」▼つづく原油高や飼料代の高騰。もともとの苦境にコロナやウクライナ危機が重なり、農業離れに輪をかけています。先祖代々、長野で米をつくってきた知り合いは、このままでは集落ごと消滅してしまうと嘆いていました▼先の見えないなかで高齢化がすすみ、後継者不足は全国で。以前より農業を志す若者は増えてきたとはいえ追いつかないのが現状です。実際この20年近くで農業人口は200万人も減少。食料はエネルギーとともに国の基盤ですが、日本の自給率は37%まで落ち込み、他国への依存度が高まっています▼長く私たちのくらしを支え、国のかたちをつくってきた農。やりがいも生きがいもある、希望がもてる農政への転換が急がれます。めざめると鳥がさえずり、あたたかな日がふりそそぎ、陽気に包まれた春の訪れ。新芽がめぶく季節の喜びを心から感じられるように。


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