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2022年4月17日(日)

きょうの潮流

 日本の表現の場で、#MeToo運動がひろがっています。「私たちは物語を安心して委ねられる映画業界を望みます」。こんどは作家たちが連帯の意思を表明しました▼次々と明るみに出る映画界の性暴力は、原作者の作家にとっても無関係ではない。撲滅を求める声明が、閉じた世界で起こる性加害の抑止力になることを願う。そして、映画界が抱える問題は出版界とも地続きだと▼SNSなどで体験を語り始める作家も現れています。大御所作家から「セックスをしないと良いものが書けない」と関係を迫られた、文芸誌に「ある大作家に触られた」と書いたらただ笑われたような雰囲気になった、仕事の相談をしたらホテルに連れ込まれた…▼日常に漂う性暴力。こんな調査結果もあります。日本芸能従事者協会によれば、フリーランスの半数近くが仕事中にハラスメントを受けたことがあり、相談窓口に話した人はほとんどいなかったそうです▼被害者が我慢を強いられる組織や社会にはそれを許す風潮があります。今月、日経新聞が胸を強調した制服姿の女子高校生の全面広告を載せました。成年漫画の主人公です。それに対して国連の女性機関が、ステレオタイプの助長につながり容認できないと抗議しました▼「今回、女性たちが多大なリスクを背負って性被害を告白したことは、業界の内外を問わず、重く受け止めるべき」。作家たちはみずから行動する決意を声明に示しました。一つ一つの声の輪が周りを変える力となるように。


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