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2022年4月16日(土)

きょうの潮流

 ロシアによるウクライナ侵略のニュースで、なかなか伝わってこない事柄があります。270万人といわれる障害者の様子です。彼らはいま、どこで、どうやって戦火を逃れているのだろうか▼日本の障害者団体は、わが事として心を痛めます。かつて日本は戦中、「障害者が非国民・米くい虫とののしられ、いわれなき差別・迫害を受けてきた」(障害者の生活と権利を守る全国連絡協議会)痛苦の体験があるからです▼日本障害者協議会代表の藤井克徳さんは3月初旬、自身がつくった詩を発表しました。日本語とウクライナ語、ロシア語、英語で。〈戦争は、障害者を邪魔ものにする/戦争は、障害者を置き去りにする/戦争は、優生思想をかきたてる/大量の障害者をつくり出す最大の悪、それが戦争〉▼全国障害者問題研究会の常任全国委員会は「平和な社会が実現されてこそ、障害のある人びとの人権が保障される」ことを歴史の教訓に、国際社会は人権保障の道を少しずつ切り開いてきたと指摘します。私たちの手にはいま、障害者権利条約があります▼障害者団体「きょうされん」は藤井さんの詩を発信して、ウクライナの障害者団体とつながりました。「ウクライナ障害者国民会議」のラリーサ・バイダさんはメールで、現地の障害者らの様子とともに感謝の思いを伝えています▼藤井さんは4月、新たな詩を編みました。〈無力じゃない 私たちは/無力じゃない どんなに隔たっていても/無力じゃない 相手がだれであろうと〉


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