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2022年4月14日(木)

きょうの潮流

 硫黄の煙や昆虫入りの爆弾、水源の川に大量投入した有毒な植物…。古代ギリシャやローマの時代からさまざまな有毒物質が戦争に使われてきました▼何千年もさかのぼる化学・生物兵器の歴史。初めて毒ガスが大規模に使用されたのは、国家間の産業戦と呼ばれた第1次世界大戦でした。その邪悪で卑劣な手段は人びとの感情をかきたて、国際的な禁止の取り決めにつながっていきます(『化学・生物兵器の歴史』)▼いまウクライナにおけるロシア軍の残虐な行為が次々と明らかになり、ふるえるほどの怒りが世界でわきあがっています。民間人の大量虐殺や性暴力、さらにマリウポリで有毒物質がまかれたとウクライナの部隊が訴えました▼非人道的な化学兵器の使用は相手の士気をくじき、降伏させるねらいがあるといいます。事実ならば国際社会からの非難はいっそう高まるはず。ロシアは使用を禁じた1925年のジュネーブ議定書や75年の生物兵器禁止条約、97年の化学兵器禁止条約の締結国です▼侵攻後、初めて記者会見したプーチン大統領は「目標を達成する」と戦争継続の姿勢を崩していません。ロシアの安全保障のため、ほかに方法はなかったと改めて侵略を正当化しながら▼惨状が伝わるほど、人の命と尊厳への思いが募ります。それを守りぬき、平和を実現していくには非戦や核廃絶、軍縮にすすむしか道はないでしょう。まして、戦争の放棄をかかげた憲法9条をもつ日本には、その先頭に立つことが求められています。


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