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2022年4月7日(木)

きょうの潮流

 彼の女性への扱いがひどい、といううわさは以前からささやかれていた。人々はそれにまつわる冗談を公の場で口に出し、見逃してきた。被害者が声をあげ、記事が世に出るまでは―▼ハリウッドの大物プロデューサーによる性暴力を告発した『その名を暴け』の一節です。5年前の勇気ある行動と報道は社会の意識を変え、国境をこえた行動を促しました。それは日本でも▼いま映画界に波紋がひろがっています。複数の女性俳優が性行為を強要されたと週刊誌で告発した榊英雄監督の映画が直前に公開中止となりました。榊氏は事実と事実ではないことが含まれているとしながら、「過去のことをなかったことにはできない」と謝罪のコメントを▼性暴力の証言は、ほかの監督や俳優にも波及。一連の報道をうけ是枝裕和さんら映画監督6人が、監督の立場を利用したあらゆる暴力に反対するとの声明を出しました。強い権力を持った立場にあることを自覚するべきで、地位を乱用して人を不当にコントロールすべきではないと▼不平等な状況をただす活動を続ける「表現の現場調査団」によると、過去10年にセクハラを経験したと答えた人は全回答者1449人のうち1161人にものぼりました▼暴力や差別のない表現の現場をつくるため、改善に向けて行動していくという是枝さんらの決意。「私たちには、みずからが見過ごしてきた悪(あ)しき慣習を断ち切り、すべての俳優、スタッフが安全に映画に関わることのできる場を作る責任がある」


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