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2022年4月7日(木)

「ロシアに法の裁きを」

ウクライナ大統領・各国批判

国連安保理緊急会合

 【ワシントン=遠藤誠二】ロシアが侵略するウクライナ首都キーウ(キエフ)郊外の町ブチャなどで多数の民間人が殺害されたことを受け、国連安保理は5日、緊急会合を開催しました。ウクライナのゼレンスキー大統領がオンラインで参加し、ロシア軍の行為は「第2次世界大戦後、最悪の戦争犯罪だ」と非難し、責任が追及されるべきだと主張しました。各国からも、ロシア批判の声が噴出しました。(関連記事)


 ゼレンスキー大統領は、「衛星による映像と証拠は存在し、完全に透明性のある捜査は可能だ」「国際刑事裁判所(ICC)が事実究明と完全な説明責任を確立するために協力する」と語り、ICCでの法の裁きを進めるべきだと主張しました。

 ブチャやロシア軍に包囲されているマリウポリなど複数の町において子どもを含む惨殺された民間人の映像が流され、議場は沈黙に包まれました。ゼレンスキー大統領は、ブチャで起きた民間人大量殺害は氷山の一角だと指摘しました。

 アイルランドのネーソン大使は、「このような犯罪の責任から免れることは絶対にない」として、ウクライナ国内、ICCなど国際的な司法の場で裁判にかけられるべきだと説きました。

 ノルウェーのジュール大使は「民間人殺害に深く衝撃を受けている」として、国際法、国際人道法への違反で捜査されるべきであり、犯罪者は法の裁きを受けるべきだと発言しました。

 グリフィス国連事務次長(人道担当)は、ウクライナではこれまでに「子ども121人を含む1480人の民間人が殺害された」と報告。加えて「これは、かなり低い数字だ」とのべ、実際にはこれよりはるかに多数の犠牲者が出ている考えを示しました。

 グテレス国連事務総長は、「ブチャで民間人が殺害された映像を忘れることはない」「独立した捜査を呼びかけた」と言明。「安保理常任理事国であるロシアが国連憲章に違反し国連加盟国のウクライナを本格的に侵攻した」とロシアを名指しした上で、「ウクライナでの戦争を今、即時にやめよ。国連憲章に基づいた和平への真剣な交渉が必要だ」とよびかけました。

 ロシアのネベンジャ大使は、「ウクライナ市民は自身の過激派に殺害されたものだ」などとのべ、ロシア軍による犯行を否定しました。


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