2022年4月6日(水)
きょうの潮流
「サイタ サイタ サクラガ サイタ」から「アカイ アカイ アサヒ アサヒ」へ。1年生の国語の教科書がかわりました。国家が要求する「皇国民」を養成するために▼日本が太平洋戦争に突入する1941年の4月。明治から70年近く続いてきた小学校が廃止され、国民学校が始まりました。目的は「皇国の道に則(のっと)り、国民の基礎的錬成を成す」こと。アサヒは「大東亜共栄圏」を照らす日の丸の象徴でした▼神である天皇をいただく日本は神の国だとして、天皇のために死ぬことをうえつける。それは戦争を支えた「お国のため」の教育でした。当時1年生として入学した入江曜子さんは、学校で「天皇陛下を直視すると目がつぶれる」と教わったそうです▼後に作家となった入江さんは国民学校の教育を検証した『日本が「神の国」だった時代』を著しました。そのなかで、あの戦争の侵略を解放と言い換える国家主義が再び台頭してきたことに警鐘を鳴らしています▼いまウクライナに侵略したロシア軍による集団虐殺が伝えられ、国際社会は一斉に非難しています。犠牲者は今後さらに増えるとも。ところがロシアは欧米諸国によるフェイクニュースだと言い張ります▼そんなことをするはずがない、これはウクライナ解放のたたかいだと。いまや国内では8割をこえるというプーチン大統領の支持率。彼我のあまりの差にがく然としますが、どんなに国民に刷り込もうとも、いずれ侵略者は滅びる。日本も経験した歴史の教訓です。








