2022年4月2日(土)
きょうの潮流
きょうからあなたはおとなです。そう宣言されて戸惑った人は多いでしょう。まして高校生ならば、いきなり感も当然か▼146年ぶりに民法の成人年齢が改められ、4月1日から18歳以上が「おとな」の仲間入り。200万をこえる若者が一気に新成人となりました。高校3年の教室では未成年と成年が混在。混乱する現場からは、社会のルールと学校のルールが整理できていないとの声もあがっています▼歴史をふり返れば奈良時代に男子が成人になったことを示す元服が始まり、江戸時代には数え15歳の元服が目安に。明治になって20歳と民法で定められたのは欧米諸国の例をまねながら、そこに日本人の平均寿命を加味したといわれます▼今では18歳成人が世界の主流です。年齢の引き下げは、人生の歩みをみずから考え、決めていく道を若い人たちにひろげます。とはいえ、消費者被害や性犯罪に巻き込まれないか、懸念はつきません▼国会審議のなかでも対策は不十分との意見が相次いでいました。NHKが新成人となる18歳、19歳に聞いたところ、半分近くが不安を感じていると。実感がない、詐欺などのトラブル、高額の買い物…。不安は多岐にわたります▼おとなになることを模索する若い世代が食いものにされてはなりません。いま、ロシアによるウクライナ侵略を許さず、平和をもとめて声をあげる高校生の姿は全国各地に。未来をつくる若者が希望をもつ、より良い社会をめざして力を発揮する。そんな環境こそ、整えたい。








