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2022年3月27日(日)

労働者の要求に寄り添い「現職党員を主人公」に職場での党づくりを

20都道府県職場支部援助担当者会議

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(写真)報告する山下副委員長(上)と各県の職場支部援助担当者

 20都道府県職場支部援助担当者会議が25日、オンラインで党本部と各地を結んで開かれました。山下芳生副委員長・党建設委員会責任者が報告しました。大幡基夫労働局長、土肥靖治党建設委員会事務局長らが参加しました。会議の目的は、1月14日の全国都道府県組織部長・職場支部援助担当者合同会議をふまえ、全国の職場分野での努力と実践、教訓を学び合い、この分野での前進を切り開くことです。

山下副委員長が報告

 会議の冒頭、山下氏は、(1)労働者と職場をめぐる情勢、(2)1月の合同会議後の実践や努力に学ぶ―の二つの柱で報告しました。

「やさしく強い経済」をつくろうを合言葉に参院選勝利へ

 第一の柱について、コロナ禍のもと新自由主義による労働法制の規制緩和、社会保障・公衆衛生の切り捨て、消費税の連続増税、富裕層・大企業減税の結果、日本社会が人々に「自己責任」を強いる「冷たい社会」、賃金の上がらない「成長できない国」になったと指摘。大幅賃上げが国民生活を守るうえでも、党が提唱する「やさしく強い経済」をつくるうえでも喫緊の課題となっていると強調しました。

 新自由主義の弊害をもたらした自民党政治に無反省の岸田政権に対して、党は政治の責任で賃上げをすすめるために大企業の内部留保課税を提案しています。山下氏は、労働組合運動の要求と「やさしく強い経済」をつくろうという日本共産党の提起はぴたりと一致しているとのべ、「職場支部が“『やさしく強い経済』をつくろう”を合言葉に、労働分野から参院選挙勝利へ大波を起こそう」とよびかけました。

「合同会議」後の実践と努力に学び合い

 第二の柱、「合同会議」後の実践・努力について、(1)「現職党員が主人公」の職場支部への系統的援助(2)空白職場に党支部をつくる努力(3)系統的な職場支部援助体制づくり―の3点を報告しました。

 山下氏は、職場支部への援助について、「『現役労働者への働きかけに踏み出す』『現職党員を主人公にすえた支部活動』―この努力方向は、職場支部の継承にとって要をなす問題」と指摘。そのうえで、三つの努力―(1)労働者の要求にもとづく活動に取り組み、人間的・政治的信頼関係を深め、職場の対話と党建設の条件を広げている(2)綱領学習の援助が職場で政治を語る大きな力になっている(3)党機関の指導と援助の「三つの基本姿勢」を堅持し、現職中心の党活動を援助する―のそれぞれについて、この間生まれている職場支部の活動や空白職場に支部をつくるためのさまざまな工夫・努力を紹介しました。

 県・地区での職場支部援助の体制づくりの新たな努力と探求が始まっています。同時に、「担当者の引き受け手が見つからない」「担当者の会議をいかに充実させるか」など寄せられた悩みにこたえる実践を紹介しました。

 報告の最後に、山下氏は「合同会議の中心命題は、中央の反省をふまえ世代的継承を中軸とする党員拡大が自然成長にとどまっては参院選挙で前進できないし、党の未来もないことを自覚し、現状を打破することにあった」とのべ、「参院選挙は労働者への働きかけに踏み出す絶好の機会です。党員拡大でもまさに『今がチャンス』。私たちの努力のすべては労働者の中で党づくりをすすめるためにあり、ここに結実させるための苦労です。この決意を固め合う会議にしましょう」とよびかけました。

努力と実践 交流・学び合い

 討論では全員が発言しました。会議参加者同士による質疑応答も行われ、努力と実践を交流し、学び合う場となりました。

 兵庫県は、労働者と職場の変化について、「新自由主義路線のもとで貧困と格差が深刻化している。非正規だけでなく正規労働者でも賃上げは切実。反共の壁がなくなり、党に相談が持ち込まれている」と紹介し、党の発表した提案「アベノミクスで増えた大企業の内部留保に適正な課税を」に新たな注目が寄せられているとのべました。

 1月の全国都道府県組織部長・職場支部援助担当者合同会議が提起した「現職が主人公」の支部づくりのとりくみが、各県から報告されました。

支部会議を楽しく面白く

 支部会議の開催と改善について発言がありました。職場支部の支部会議をいかにして楽しく元気が出るものにするか。ある県は、支部会議を月1回しか開かず、党費納入など中心の“実務的な会議”になってしまっていた支部会議の内容を改善した自治体職場支部の活動を紹介しました。「職場での互いの仕事ぶりや住民の立場にたった努力を交流するようにすると、支部会議が面白くなった。入党の原点、初心、誇りがよみがえり、『こんな支部会議なら毎週出たい』と言い始めている」と述べました。

 党員拡大に踏み出す援助の発言も各県からありました。職場支部に党員を迎えた経験を持つ党員が少なくなっているなかで、「綱領学習が党員拡大に踏み出す力になっている」と発言したのは山口県です。「現職党員は、われわれの世代と違って自由な時間がない働き方だ」と、自覚的に学ぶ機会を党機関が援助する大切さを強調。「そこを放置しては『現職が主人公』の支部活動は困難。党学校を具体化し、綱領学習運動をやりたい」とのべました。

 支部の結びつきで対象者を出し合い、系統的に粘り強く入党を働きかける努力とともに、「すぐに入ってほしい人がたくさんいる」との発言もありました。宮城県は「労働組合グループの会議で、党支部のない“空白職場”が議論になった。調べてみると労働組合はあるし、役員はいるが、党員がいない職場がけっこうある。グループと結びつきのある労組役員も多い。入党の働きかけをすすめたい」と語りました。「赤旗」読者を調べてみると、「赤旗」を購読している労働者が多種多様な職場におり、その中には若い労働者もいることから、有力な対象者となりうるとのべました。

 長野県は、20代から40代を中心に26人を党に迎えた医療関係の党組織の活動を紹介しました。教訓として、(1)どんなに忙しくても、会議を定例化し、政治討議をする(2)事業所ごとの交流会を日常的に持つ。党員拡大の議論、互いの経験を励まし合う党風をつくっている(3)次世代のリーダーをつくっている―ことをあげました。このグループが「職場支部が支部会議を開かないのは支配層を喜ばせること。支部会議の定期的な開催はたたかいの課題でもある」と高い気概で頑張っていることに学ばされたと発言しました。

労働者の中で党を語る

 「はてな」リーフを活用し、参院選勝利にむけて生き生きと活動する職場支部の経験を報告したのは神奈川県です。支部は、「はてな」リーフには、ロシアのウクライナ侵略で国連や9条は無力との攻撃を打ち破る力があると議論し、郵送作戦を計画しました。当初、「せいぜい20~30人」と言っていた党員が、リーフを読み合わせて討議するなかで「これなら100人に送りたい」と変わりました。支部は幹部会決議を討議して、「参院選必勝モード」に切り替え、「赤旗」読者拡大では3月末目標の倍の成果を達成しました。「週1回の支部会議を軸に、『楽しく元気の出る支部会議』で学び合い、成長し、できることを発展させる活動を貫いている」と紹介しました。

 愛知県は「分野別の職場後援会ニュースをつくり、要求を大切にした『集い』にとりくんできた」と発言しました。医療関係の職場後援会は毎月、医療労働者の要求をとらえた「集い」を開いてきています。今後、大企業、教職員など各分野の労働者の要求や問題意識にかみあった「集い」を各職場で開き、現役労働者への働きかけを強めたいと語りました。

援助体制の悩みにこたえ

 いかにして系統的な職場支部援助体制を構築するか。「援助体制が弱いことが最大の悩み。地区委員長の兼任や、担当者を探すのも困難な地区もある。どういう議論と手だてで体制を強化しているか、ヒントを聞きたい」との率直な問いかけがなされたことをきっかけに、実感を込めたやりとりが行われました。

 京都府は、10年間にわたる自らの努力を振り返り、「援助体制が1回できても止まったり、壊れて再建したりということがあった。肝心なのは、あきらめないこと。構えと熱意が大事。党会議は、体制を確立するチャンスだ」と語りました。

 大阪府は「OBになった方々は、現職に対してもっとも身近な援助者で、頼りになる存在。職場の党の灯を消したくないという強い思いを持っている。現職への援助という任務をはっきりさせ、自ら選んだ生き方をまっとうできる党をつくりたいとのOBの思いを、職場支部の継承にも生かしたい」とのべました。

山下氏が討論のまとめ

 山下氏が討論のまとめをおこないました。

 労働者と職場をめぐる情勢について、「『やさしく強い経済』など党の提起は、新自由主義のもと職場で苦しんでいる人たちと響く内容をもっています。職場で綱領の立場を大いに語っていこう」とのべました。

 「現役労働者に働きかける」「現職党員が主人公の支部活動」の課題が「本当に深められている」として、働きがいを語り合う「楽しく元気の出る支部会議」の“職場版”、綱領学習の重要性、党大会第二決議を力にした党員拡大、職場支部に入る学生党員、民青同盟員の成長と援助などに言及しました。

 職場支部援助体制確立への思いと構えが共通して出されたとのべ、「情熱とあきらめないこと」が大切と強調。

 「貴重な経験を交流することができました。何としても前進するために中央としてイニシアティブを強めていきたい。頑張りましょう」と締めくくりました。


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