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2022年3月23日(水)

主張

侵略の暴挙1カ月

ロシアの無法止める声さらに

 ロシアがウクライナに侵攻して24日で1カ月です。ロシア軍は無差別攻撃を強めています。ウクライナは無法な侵略に強く抵抗し、世界に広がる「直ちに侵略やめよ」の声は国際政治を動かしています。2日の国連総会緊急特別会合では加盟国の7割を超す賛成でロシア非難決議が採択されました。23日からは再び緊急特別会合が開かれ、人道問題に関する決議案の採択を目指します。

国連で圧倒的多数が非難

 ロシアの行為が国連憲章、国際法を踏みにじった蛮行であることは国連で明確にされました。2日の国連総会決議はウクライナ侵略を国連憲章違反と断じ、即時・完全・無条件の撤退をロシアに要求しました。

 米国、旧ソ連、ロシアによる他国への侵略を非難した国連総会決議は、ソ連のアフガニスタン侵略(1979年)以来、6回採択されています。今回は過去最多の141カ国が賛成しました。総会の討議ではロシアを非難する発言が議場を圧倒し、侵略を正当化するロシアの孤立が深まりました。

 拒否権を持つ国連安全保障理事会常任理事国による国連憲章違反という異常な事態に対して多くの国が立ち上がり、総会で国連の意思を示したことは画期的です。

 16日には国際司法裁判所がロシアに対して直ちに軍事行動をやめるよう暫定命令を出しました。

 23日に始まる緊急特別会合は、民間人への攻撃停止などを求めてフランス、メキシコが共同で作成した決議案を議題としています。

 ウクライナの避難民は国民の4人に1人にあたる1000万人を超え、深刻な人道危機が生じています。

 ロシア軍に包囲された南部のマリウポリでは40万人の住民の多くが避難できず、避難場所の学校や劇場も爆撃されたと伝えられます。首都キエフをはじめ他の地域でもロシア軍は住宅や病院を攻撃し、民間人を殺傷しています。原発への攻撃は人類の生存を危うくしかねません。

 いずれも戦時下の民間人保護や病院、原発への攻撃禁止を定めた国際人道法に違反する戦争犯罪です。特別会合で再び糾弾の声が上がるのは必至です。

 世界中から非難を浴びたロシアのプーチン大統領は核兵器の先制使用を示唆したり、核戦力を「特別態勢」にするよう命じたりして威嚇しています。核兵器が人類にとっていかに危険なものであるかが改めて示されました。

 大国が核兵器を保有しあうことで互いに「抑止力」が働くという主張が虚構でしかなかったことは明らかです。核兵器の開発、保有、使用、威嚇を違法なものとした核兵器禁止条約こそ今日最も必要とされています。

窮地に立つプーチン政権

 侵略反対の声はロシア国内でも高まっています。弾圧に抗して街頭で行動が続き、国営テレビでは編集スタッフがニュース番組で勇気ある抗議を行いました。

 プーチン政権は国内の反戦行動を弾圧し「攻撃しているのはウクライナ軍」などと見え透いたうその宣伝で自らを正当化しようとしています。それだけ窮地に立っているからです。侵略反対の国際世論をさらに高め、プーチン政権を追い詰めることが無法な行為を止めるために決定的に重要です。


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