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2022年3月21日(月)

きょうの潮流

 毎日幸せだと感じている人が約8割―。ダウン症のある人を対象にした調査結果です。ダウン症は21番目の染色体が1本多い先天性疾患です▼「21番目の1本多い染色体にはやさしさと可能性がいっぱい詰まっている」。鹿児島県の岩元綾さん(48)のお母さんは綾さんに、そう語りかけたそうです▼大学2年のときに、自身にダウン症があるとお父さんから告知された綾さん。大きな衝撃。それだけでなく、「私の中でダウン症への得体の知れない差別感を持っていた」。葛藤の末、この染色体にはダウン症の子を持つ親の「わが子に対する熱い思いが詰まっている」と▼先の調査は、厚生労働省の研究班が出生前検査などに関する研究の一環として実施。この検査で、おなかの中の赤ちゃんにダウン症などの先天性疾患がある可能性を調べます。対象となる母親は35歳以上と限定的でしたが、年齢制限は近く、なくなります▼検査で陽性が確定した事例のほとんどが中絶を選択。一定の割合で病気や障害のある子が生まれることは自然なことなのに…。遺伝性疾患のある女性は「障害のある子を産んだ女性が責められる社会があるのでは」とも指摘します▼検査は「命の選別」につながると発信してきた綾さん。「目を閉じて、21番目のやさしさの中には無限の可能性もあると想像してみてください。きっとあなたもやさしくなれると思いますよ」(『21番目のやさしさに ダウン症のわたしから』)。21日は国連の定めた「世界ダウン症の日」です。


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