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2022年3月15日(火)

きょうの潮流

 現代日本を代表する3人の作家が顔をそろえて戦争反対を訴える光景は、感慨深いものでした▼日本ペンクラブの桐野夏生会長と日本文芸家協会の林真理子理事長、日本推理作家協会の京極夏彦代表理事は10日、ロシアのウクライナ侵攻を非難し戦争終結を求める共同声明を発表しました。3団体が共同で声明を出すのは初めてです▼京極氏が「思想信条・政治的立場に関して協会員を拘束せず、結成以来75年、声明を出したことはなかった」と振り返り、林氏が文芸家協会を「職能団体であり、本来は政治的発言はしない」と語ったことから見ても、画期的でした▼「どんな状況でも暴力的選択肢があってはならない。人命、人権、文化を守ることは、どんな考え方の下でも変わるべきではない」(京極氏)、「この侵略は人類に対する大変な暴挙。文学者は人の痛みや苦しみを強く感じる存在でなくてはならない。声を上げることが大切だと思った」(林氏)▼言論表現の自由と平和の希求を掲げる日本ペンクラブは、他の文学団体との共闘を呼びかけてきました。「声明を出すことしかできない無力も感じるが、無駄だとは思っていない。もっと広げて、戦争中の文学報国会のようには絶対にならない」(桐野氏)▼声明は、表現者として「新たな戦争の愚かさについてなど、書きたくはありません」と宣言し、ウクライナとロシア双方の人々の命の安全と自由を願う、としています。これらの言葉が世界を覆い、権力者を追い詰めることを信じて。


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