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2022年3月7日(月)

入管の抜本的改革を

ウィシュマさん1周忌追悼デモ

東京

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(写真)東京入国管理局前でのウィシュマさん追悼デモ=6日、東京都港区

 名古屋出入国在留管理局に収容中だったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんが亡くなった事件から6日で1年―。「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」と「BOND(外国人労働者・難民と共に歩む会)」が東京都港区の東京出入国在留管理局前で「3・6ウィシュマさん1周忌追悼東京デモ」を開催し、犠牲者を二度と出さないために事件の真相解明や入管医療の抜本的改革を訴えました。

 約230人が参加。デモ中に、入国管理局の建物内から「がんばれ」と声援が起こる場面もありました。

 BONDのメンバーが「全国の収容施設における入管の対応は根本的に何も変わっていない。多くの市民の声でウィシュマさんへの追悼と、入管に対する抗議の姿勢を力強く声を上げましょう」とあいさつしました。

 父親がパキスタン人の女子大学生(22)は「父は運転しているだけで、警察官から執拗(しつよう)に職務質問を受けた。私も成田空港でしつこくパスポートについて質問されたことがある。許されない差別だ。ウィシュマさんの死には、何よりも強い怒りを感じた」と語りました。

 全国一般東京ゼネラルユニオン東ゼン労組のルイス・カーレット財政部長は「入管法違反の容疑だけで一方的に収容できる。看過できない。ウィシュマさんの死には本当に驚いて、当然労組として入管の適正手続きや人権を認めることを求めてたたかわなければならないと確認した」と語りました。

 日本共産党の山添拓参院議員は「入管は報告書の作成の過程でもきわめて不誠実な対応を続けてきた。ビデオの開示すらいまだに全面的には応じない。ウィシュマさんは、ほとんど寝たきりの状態だったのに、医者にも見せずまともな診察も受けられなかったのか。憤りを禁じ得ない。入管法も難民認定の在り方も抜本的に切り替えて、国際水準に変えていくことが求められている」と訴えました。

自由のためたたかう 大阪

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(写真)事件の真相究明を訴え行進する市民=6日、大阪市北区

 名古屋入管に収容中だったスリランカ人、ウィシュマ・サンダマリさん=当時(33)=が亡くなった事件から丸1年となる6日、大阪市北区で追悼・デモ行進が行われました。「入管の民族差別・人権侵害と闘う全国市民連合」が呼びかけ、100人が参加しました。

 参加者は、ウィシュマさんの死亡確認時刻の午後3時25分に追悼。リレースピーチの後、事件の真相究明と入管行政の抜本改善を訴え行進しました。

 仮放免中の中東出身の男性は「私にとって青空の下を歩くことも当たり前ではない。またいつ収容されるかわからず毎日つらいが、自由のためにたたかうみなさんと一緒に頑張りたい」と話しました。

 ウィシュマさん死亡事件の国賠訴訟弁護団の上林惠理子弁護士は「彼女の死はただの医療体制の問題でなく、送還を目的に行った不当な収容によって必然的に起きたもの。真相を明らかにし、入管行政の在り方を変えたい」と話しました。


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