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2022年3月6日(日)

きょうの潮流

 人類を破滅に導きかねない、危険な一歩が踏み出されました。ロシアによるウクライナ南東部・ザポロジエ原発への攻撃。ゼレンスキー大統領は、「テロ国家が人類史上初めて、核テロに訴えた」と非難しました▼ロシアは2月24日、侵略開始と同時にチェルノブイリ原発を占拠。大量の核物質を抱えた同原発への攻撃も危険ですが、ザポロジエ原発は稼働中であり、事態はより深刻です▼ミサイルが格納容器を直撃すれば大惨事になることは言うまでもありませんが、冷却装置の破壊や送電網の破壊による外部電源の喪失、原発を管理する作業員の避難や死傷など、リスクは数え切れません▼欧州最大規模のザポロジエ原発。ひとたび制御不能になれば、大量の放射性物質が欧州全域を覆い、その被害はロシアにも及びます。戦争が終わったとしても、長期にわたって人が住めなくなることは福島原発事故でも明らかです▼ロシアは原発攻撃を否定していますが、原発を占拠しているのは事実です。何より、「攻撃目標は軍事施設だけ」と言いながら、民間人も無差別に殺傷しているロシアの言い分に信憑(しんぴょう)性はありません。不測の事態を避けるために、原発から一刻も早く撤退すべきです▼今回のロシア軍の蛮行は、原発が重要な攻撃目標になることを証明しました。ロシアによる核の脅しを口実に核武装を叫んでいる勢力は、同時に原発再稼働も主張しています。わざわざ攻撃目標を増やし、安全を脅かすことになる危険が分からないのでしょうか。


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