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2022年2月27日(日)

きょうの潮流

 スタジアムで珍しくも感動的な応援に遭遇したことがあります。「イコール・ペイ(同等な報酬を)」。敵味方なく、スタンドを一つに包んだ大合唱は2019年7月、サッカー・女子ワールドカップの表彰式でのこと。優勝した米国代表をさらに励ます意図がありました▼このとき米国選手は“もう一つのたたかい”に挑んでいました。相手は米国サッカー連盟。同国の男子代表と同額の賃金の支払いを求める「賃金差別」訴訟です。当時、女子選手は男子の38%の報酬しか受け取っていませんでした▼あれから3年。やっと“勝利”の扉が開きました。22日、男女同額の支払いとする和解を勝ち取ったのです。「過去の多くの過ちを正すための重要な一歩」。選手も喜びの声をあげています▼たたかいは裁判開始の3年前から始まり、足かけ6年。一審で敗訴したものの、あきらめることなく、団結を崩さず、歴史の発展方向を見据えて取り組んだ結果です。「私たちの訴えはお金のためではない」。中心にいるミーガン・ラピノー選手が言い続けてきました▼国連によれば、世界で女性の賃金は男性より約2割も低い。事情は米国も同じです。現状で推移すれば、格差解消まで約70年かかるとも。しかし、座して待つわけにはいきません▼アレックス・モーガン選手は力を込めます。「これは私たちや女子スポーツの勝利だけでなく、女性の勝利です」。スポーツと社会が手を取り合ってジェンダー平等を前にすすめる。そんなすてきなゴールです。


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