しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年2月26日(土)

きょうの潮流

 ヨーロッパの数ある都市の中で最も美しい町の一つといわれてきました。はるか昔からさまざまな民族が拠点を築いたドニエプル川流域。そこで栄えたキエフです▼中世に繁栄した公国の都。大陸を北から南へ縦断する交易の中心地でした。ウクライナの首都となった今も、千年の歴史をもつソフィア聖堂やスターリンによる破壊から再建された黄金ドームのミハイル聖堂が立ち並びます▼豊かな文化を育んできた古都がいま、ロシア軍から軍事攻撃を受けています。隣国の侵略によって命や安全が脅かされ、日常の営みが壊される現実。プーチン大統領の狙いは政権転覆にある。国際社会からはそんな声も出ています▼ロシア国防省は、これまでに11の空港をふくむウクライナ軍の80以上の施設を攻撃したと発表。ウクライナ側は侵攻によって民間人をふくめ140人近くが死亡したと明らかにしました。史上最悪の原発事故が起きたチェルノブイリ原発が戦闘の末に占拠されたとも▼互いの尊重や人権がさけばれる世紀にあって、どんな理由をつけても許されない蛮行。当のロシアでも弾圧されながら反対や抗議活動が起こり、世界各地で戦争に反対する声がわきあがっています▼昨年ノーベル平和賞をうけたロシア独立系紙「ノーバヤ・ガゼータ」のムラトフ編集長は「われわれは悲しみとともに、恥を感じている」と。歴史的なつながりからウクライナを兄弟国と呼ぶプーチン大統領。しかし、そこにくらす人びとに目は向けられていません。


pageup