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2022年2月25日(金)

きょうの潮流

 8年前もオリンピックが終わった直後でした。自国のソチで「平和の祭典」を開催しながら、ロシアはウクライナのクリミア半島を併合。他国の主権と領土を力で侵す暴挙に及びました▼そのときも「平和維持」を大義名分とし、ウクライナとの国境付近で大規模な軍事演習も行っていました。「ロシアとウクライナには共通の歴史や文化がある。クリミアはロシアの不可分の領土」。プーチン大統領は内外にむかってそう訴えていました▼いままたロシアが軍事侵攻を開始しました。今度はウクライナ全土で軍事作戦を展開させる動きをみせています。この間の外交努力や国際法、世界の願いをふみにじって。まるで主権国家のウクライナをみずからの領土とみなし、侵略とも思わないふるまいです▼ソ連邦が崩壊するなか、ウクライナが独立を宣言してから30年以上がたちます。当時、独立を支持する全国民集会には数万人が参加。新しい国づくりをめざす熱気につつまれました。そこには、長く大国に支配され、東西対立のもとでほんろうされてきた人びとの平和や民主をもとめる熱い思いがありました▼そのとき両国は双方の領土保全を尊重する、相互の利益を侵害する措置をとらないという共同声明に合意しています。一方で、ときのエリツィン大統領は帝政ロシアの国旗の復活とともに、みずからを「皇帝」にたとえていました▼いまも彼らが口にする「ロシア世界の回復」。それは武力がまかり通る時代に歴史を逆戻りさせるだけです。


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