2022年2月23日(水)
きょうの潮流
「ネコが座るところには、必ず幸福がある」。英国の画家、スタンレー・スペンサーの言葉です。「見知らぬネコと親しくなる術(すべ)を知っていれば、いつでも幸せに恵まれる」。米国にはそんなことわざもあるとか▼古今東西をとわず、ネコにかんする名句は多い。それを集めた本もあります。「ネコは、喜びや安らぎを与え、想像力をかきたて、人生について大事なことを教えてくれ、自由に生きることのすばらしさを伝えてくれます」(晴山陽一著『幸せを語るネコ』)▼にゃん、にゃん、にゃんの語呂合わせで猫の日となったきのう、テレビは特集を組み、各地でイベントが開かれました。今年は800年ぶりに「2」が六つも並び、「スーパー猫の日」とよばれました▼ペットフード協会によると、いまや飼育されている猫は推計で900万匹も。コロナ禍で新たに猫や犬を飼う人も増え、生活にいやしを求めたり、家族の関係を深めている傾向がみえるといいます▼一方で昨年度に殺処分された犬・猫は2万3千匹超。飼う側の意識の変化や保護活動の努力で減ってはいるものの、悪質な繁殖業者や多頭飼い崩壊の例は後を絶ちません。今後も行政と民間の連携したとりくみが必要です▼寡黙な哲学者といわれるネコは時にわれわれ人間に何かを示唆してくれます。米国の作家で写真家のカール・ヴァン・ヴェクテンはこんな言葉を。「ネコはめったに誰かの権利を侵害したりしない。人生をややこしくする愚行に陥らない知恵があるのだ―」








