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2022年2月21日(月)

きょうの潮流

 カメラのレンズを壁の時計に向けたときでした。米軍の担当者が血相を変え、手をあげて制止してきました。米軍キャンプ座間(神奈川県)で行われた米軍と自衛隊による図上演習(ヤマサクラ81、昨年12月)のときです▼報道陣の取材が許され、基地内にある建物の広い部屋に案内されました。演習の開始式が行われ、米軍幹部は訓示で「敵の進化する能力への適応」を求め、自衛隊幹部は「リアリティーを追求せよ」と強調していました▼ふと壁を見ると液晶パネルの世界時計が。九つの都市・基地名とその時刻が表示されていました。一番上は「東京」、次はキャンプ座間とともに演習実施場所の一つになっている陸自伊丹駐屯地(兵庫県)。その次はなぜか「ジブチ」。自衛隊の海外基地があるアフリカ東部の国です。六つ目には「北京」も▼撮影が制止された後、「ジブチや北京は演習と関係あるのか」と聞くと、別の担当者は「関係ありません」。それならなぜ撮影させないのか。「敵」とは中国、「リアリティー」とは地球規模の戦争シナリオではなかったのか▼中国を念頭にしたとみられる日米演習の強化、自衛隊増強が進んでいます。沖縄県石垣島では、陸自ミサイル基地の建設が強行されています▼石垣市では、有権者の約4割が基地の賛否を問う住民投票を求めたのに、現市長は拒否。27日投票の市長選では住民投票実施を約束するトイタ芳行氏が保革を超えた支援を受け立候補しています。故郷を戦場にさせない。島民の決意です。


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