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2022年2月20日(日)

きょうの潮流

 4月から中学校や高校で使われる歴史の教科書などが政府の圧力によって書き換えられています▼「従軍慰安婦」という言葉から「従軍」が削除され、朝鮮人の「強制連行」が「強制的に動員」などに変えられています。教科書会社による訂正の形をとっていますが、事実上、政府により書き換えさせられたものです▼昨年4月、当時の菅義偉政権は「従軍慰安婦」の「従軍」という言葉や朝鮮人の「強制連行」「強制労働」という表現は適切ではないという答弁書を閣議決定し、教科書会社に圧力をかけました。「従軍」という言葉は「軍により強制連行された」という誤解を招くというのです▼佐渡金山の世界遺産推薦をめぐって強制連行の歴史を隠そうとする現岸田文雄政権の姿勢も前政権と同じ。「歴史戦」と称して日本の負の歴史をなかったことにしようという安倍晋三政権を引き継ぐものです▼先の政府答弁書は日本維新の会の馬場伸幸幹事長(現共同代表)が提出した質問主意書に答えたものでした。維新はその後、答弁書に基づいて教科書を書き換えさせようと国会で執ように取り上げています。歴史認識の問題でも維新は悪政をけん引しているのです▼侵略戦争への無反省は、憲法9条改悪・「戦争する国」づくりと一体です。維新は国会で、憲法を教える小学校の授業に対し「意図的に護憲を浸透させるもの」と介入を始めました。歴史の歪曲(わいきょく)が行き着く先は平和の破壊です。子どもたちのために史実に立った教育は不可欠です。


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