2022年2月18日(金)
きょうの潮流
彼女がとったメダルには「*」が付けられるそうです。疑義や注釈などを示す印で、国際オリンピック委員会(IOC)は仮の結果だとわかるようにするためといいます▼ドーピング疑惑の渦中にいるフィギュアスケートのワリエワ選手。昨年末に違反が見つかりながら五輪で滑る姿に割り切れなさが募ります。競技を根底から揺るがす禁止薬物に反省なきロシア。毅然(きぜん)と対処しないIOCの姿勢も批判されています▼それにしても、さまざまな問題がふきだしている今大会。判定をめぐっては疑問や抗議の声が相次ぎ、ショートトラックでは韓国選手団がスポーツ仲裁裁判所に提訴する動きもありました▼「高さや技を測れるようなものを整え、競技として測るシステムのようなものをつくる時代になってきたのではないか」。スノーボードの平野歩夢選手は競技者の立場からこれまでの採点方式や判定についての課題を口にしました▼高梨沙羅選手らが失格したジャンプスーツの規定違反も検査のあり方が問題に。大量に使われた人工雪も硬くて安全性が疑われています。NHKを先頭にした朝から晩までの五輪中継からは批判的な視点がみえてきません▼種目が増やされる一方、つねに自然破壊がついて回ってきた冬季五輪。気候変動のもとで大会はどうあるべきかという大きな課題も抱えています。さらに北京大会は人権問題で開催資格も問われました。それに正面からとりくもうとしないIOCにこそ「*」が突き付けられているでしょう。








